
フランク永井は都会の大人の哀愁を歌った曲が多いです。それは「都会調ムード歌謡」というジャンルを切り開いた歌手であり、その第一人者であるためと言ってよいでしょう。
だから、海とかマドロスといった分野にはあまり縁がありません。しかし、実際はどうなんだろうと、いろいろ調べてみると、何曲かあります。
すべての歌の歌詞を追ったわけではないので、他にもあると思いますが、ひとまずざっと見て、気づいたものをリストにしてみます。
霧笛の町(1957:V-41675)
哀愁の海(1058:V-41788)
おいら船頭さん(1960:V-41993)
夜の海岸線(1960:VS-305)
初恋ぼんぼん/フランス航路(1960:VS-464)
母なる港(1962:VS-836)
波止場(1962:VS-811)
波浮の港(1966:SV-364)
東京波止場(1966:SV-434)
「初恋ぼんぼん/フランス航路」は松竹映画「番頭はんと丁稚どん」シリーズの主題歌・挿入歌です。ちなみにこの映画主演の大村崑は、高齢者用のジムの宣伝で最近よく目にしますね。
一覧してみても、どうも海洋物やマドロスものとは相当雰囲気が異なりますね。
フランク永井活躍時の海洋、マドロスものでは、思い出すのは美空ひばりかな。「港町十三番地」は当時子供の間でも有名で、よく歌われていました。
「憧れのハワイ航路」は岡晴夫、「かえり船」は田端義夫、「かえりの港」は藤島武夫。マドロス三人男と言われました。このマドロス人気にあやかって、裕次郎、松山恵子、野村雪子らつぎつぎと印象的な曲を歌い、ブームが続きました。
それに少し遅れて、船村徹と星野哲郎コンビが漁業と港をテーマにした歌を作ります。北島三郎、鳥羽一郎らが歌いあげ、大ヒットを記録していきます。
2003年、テイチクは「愛しのマドロス港唄」というCD-BOXを売り出しました。ここには、キング、テイチク、東芝EMI、コロンビア、ビクターから7枚のCD、135曲が収められています。
ビクターからのものには、フランク永井の歌唱も収められています。「霧笛の町」「波浮の港」です。
野口雨情作詞、中山晋平作曲の歌で、私が小学校の頃に学校で歌った覚えがあります。これは超有名な歌であることから、多数の歌手が歌っています。フランク永井の歌唱は、そうした中でも男性歌手では抜きんでいてうまいと思います。
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