
1963(S38)から1968(S43)年までビクターから発売されたオムニバスLPに「ゴールデン・ヒット・ソング」シリーズというのがあります。1963年と言えば、フランク永井がデビューしてから8年ほど経った時で、安定した人気を得ていた時です。
「赤ちゃんは王さまだ」という子供をターゲットにした分野に挑戦して、第5回日本レコード大賞で歌唱賞を得ています。他に「月火水木金土の歌」は第4回日本レコード大賞の作詞賞も受賞しています。「カラスの歌」「おじさんの子守唄」「ハダカの歌」「お尻を打つよ」「べんきょうはじゅらい」「ネムチェンコじいさん」「なぜ」(発売は翌年頭)と子供ものを立て続けに出した年でした。
「ゴールデン・ヒット・ソング」シリーズは、そのころにビクターから売り出し中の人気歌手のヒット曲を「ベスト・ヒット14」としてLPに収めたものです。
このLPは5年間で26集まで出しました。その後「流行歌ベスト・ヒット15」として、ゴールデン・ヒット・ソングのハイライト盤を出しています。
ちなみに、このシリーズの後は「19oo年流行歌ベスト10/15」のような形で引き継がれるのですが、やがてタイトルがあいまいになりしぼんでいきます。
当然フランク永井は毎回のように顔を出しています。収められた曲は、下記のようになります。
LV-325 第1集 霧子のタンゴ
SJV-32 第2集 国道18号線
SJV-55 第3集 大阪ぐらし
SJV-62 第4集 大阪ぐらし
SJV-85 第5集 恋うた
SJV-88 第6集 霧笛の道
SJV-104 第7集 男なら
SJV-114 第8集 アコちゃん
SJV-130 第9集 妻を恋うる唄
SJV-149 第10集 東京しぐれ
SJV-161 第11集 熱海ブルース
SJV-169 第12集 水のように
SJV-188 第13集 君待てども
SJV-207 第14集 女には涙がある
SJV-220 第15集 遊侠一匹
SJV-253 第16集 大阪ろまん
SJV-260 第17集 みれん酒
SJV-281 第18集 マンション・ブルース
SJV-296 第19集 夕陽のジャマイカ
SJV-308 第20集 生命ある限り
SJV-319 第21集 (なし)
SJV-337 第22集 風と二人で
SJV-349 第23集 (なし)
SJV-366 第24集 加茂川ブルース
SJV-375 第25集 堂島
SJV-404 第26集 堂島
SJV-368 ハイライト (なし)
その当時、フランク永井のどんな歌が売れていたのか、レコード会社としてイチ押しだったのかが、一目でおわかります。
ジャケットは、独特の雰囲気を持っています。10号あたりから、表面と似てて異なる裏面ジャケットも配置されました。つまり、どちらも表面になるような作りになります。表裏を左右に並べると、その盤で登場する全歌手がわかるという趣向です。
ビクターはそれだけ、売り込みに力を注いでたものと推察できます。
第1集の盤IDが「LV」であるのは、曲がモノラル中心であったことがわかります。第2集以降はSJVで統一されています。つまり、ステレオ盤です。
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