フランク永井「NHKビッグ・ショーより~酒・女・そして...」を聴いて

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 1978(S53)年のアルバムです。フランク永井の残した曲を毎日聴いています。最近聞いて印象深かったので紹介します。
 NEKのビッグ・ショーは当時たいへんな人気番組でした。だが、この番組の映像は残されていません。NHKにもビクターにもないとお聞きします。
 聴いていて耳障りが素晴らしいのは、もちろんフランク永井の歌声ですが、それだけではありません。演奏が小野満とスイング・ビーバーズ、東京放送管弦楽団、新室内楽協会という3つのすぐれた演奏があったからだと思います。
 ジャケット写真はカラーでご本人とゲストの沢田雅美が採用されています。沢田のトークはやや物足りないような気がしますが、フランク永井の軽妙な対応がすばらしいです。
 「こいさんのラブ・コール」から「君恋し」まで12曲が収められています。歌での注目は、ここでアイ・ジョージのヒット曲「赤いグラス」が紹介されている点。それに、この当時に一押ししたい曲「酒場の花」。舞台を降りた年の最後のシングル「あなたのすべてを」を歌っています。
 それから「月の砂漠」を歌っているところが、幅の広さを強調したのではないでしょうか。そして、ご本人が好きでよく歌っていた「追憶の女(おもいでのひと)」です。
 別のライブで語っているのですが、この歌はすばらしいいい曲なのですが、追憶の女と書いて「おもいでのひと」と呼ばせようとしたこと自身が、やや覚えやすさに難ありだったと。実は、この曲は1963(S38)年に「追憶(ついおく)」に曲名を変え、ステレオ版でもリリースしています。
 だが、それはかえってファンを混乱させたようで、その後(1967年のあとに)は元に戻しました。この曲への思い入れは、指摘するまでもなくいい歌なのですが、1958(S32)年フランク永井を全国区に押し上げた「有楽町で逢いましょう」の直後の盤であったということもあったのではないでしょうか。
 NHKのテレビ番組としては、フランク永井の代表曲を扱わずにはおれません。「有楽町で逢いましょう」「大阪ろまん」「おまえに」「公園の手品師」「君恋し」です。
 いい楽団をバックに彼の声を聴けたファンは大満足したことでしょう。
 フランク永井の曲のバックの基本はビクター・オーケストラです。ライブ盤では浜田清とフランクス・ナイン(セブン)が定番です。だが、リサイタルとなかると、時の著名な楽団がバックを務めるので、見逃せません。
 特定の楽団となると、楽団長は曲に独自のアレンジをするのが仕事です。演奏する人の数と楽器の種類を考慮して、魅力的な編曲をします。耳の肥えたファンに新鮮なメロディーを届けます。
 この盤ではいずれもいいのですが、印象的なのでは締めに歌われた「君恋し」ではないでしょうか。前奏なしでいきなりフランク永井の低音が前面にでます。それを低く、軽く、弦楽器が追います。歌手の声、歌唱、息遣いを表にだすことで、歌手の魅力を押し出しています。プロの気遣いと腕のよさです。

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このページは、文四郎が2022年6月18日 16:01に書いたブログ記事です。

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