2022年6月アーカイブ

mx20220625.png

和田弘とマヒナスターズのメンバーであった松平直樹さんが亡くなりました。こころからご冥福をお祈りいたします。
 1955(S30)年~1970(S45)、1985(S60)年~2002(H14)年和田弘とマヒナスターズ、2004(H16)~2022(R4)マヒナスターズに属しました。
 マイナスターズの初期はハワイアングループで、マスター和田弘のスチール演奏と、男声の裏声による歌唱が、見事にハワイアンのイメージを印象付けました。デビュー曲が「泣かないで」。ハワイアンと言えばそのムードで、常夏の夢と知られたハワイ、誰もそう簡単に行けなかった南国の雰囲気をかもしだしました。
 松平は甘いマスクと独特の歌唱で人気があり、トークも上手で、マヒナに加わるやいなやマヒナの顔になった感じでした。
 ビクターとしても力を惜しまず、大御所のフランク永井の恩師吉田正と作詞家佐伯孝夫を投入して、次々と曲を提供しました。
 松尾和子と組んで歌った「誰よりも君を愛す」(1955)は日本レコード大賞を受賞しました。
 さらに印象に残っているのは、田代美代子と組んだ「愛して愛して愛しちゃったのよ」(1965)という曲です。
 1964年には松尾和子と組んだ「お座敷小唄」は、リズムのよさもありますが、全国どこでも聞かれました。この曲を発掘したのが松平です。

 松尾和子のデビュー曲は「グッド・ナイト」ですが、これをビクターはマヒナと組ませました。このときに、そのA面を飾ったのは「東京ナイト・クラブ」です。この豪華さは、実際に大当たり、松尾は急に人気歌手となりました。
 当時は大ヒットを飛ばしていたフランク永井でさえ、流行は盤のカップリングでした。レコード会社が売り出したい歌手を人気歌手と同じ盤で出すという作戦です。フランク永井も「夜の招待」では松尾だけでなく、マヒナと一緒に歌っています。
 その後写真にあげたのですが、マヒナの「愛はしみじみするものさ」のB面で「街角」を歌っています。
 余談ですが、「お母さん」というマヒナA面の裏面で「白いバラ」をフランク永井がかざっているのですが、この盤はなぜか、レア中のレア盤です。私が「フランク永井データブック」のためにフランク永井の曲をかたっぱしから収集したのですが、「白いバラ」を見たのは、2020年ごろでした。
 「白いバラ」という曲もB面である都合で、ビクターからのデジタル化のなかでも、まだ未発売の状態です。

 最初に触れましたが、松平はマヒナの歴史にかかせない人物ではあるのですが、ずっとマヒナにいたわけではありません。というより、マヒナのメンバーはしょっちゅう入れ替わりました。
 テレビに出るにしても、例えば北島三郎という一人の歌手とグループの人数はおおくても、番組的には一つの扱い、つまりギャラも多少人数は考慮されても、一つとして、代表和田弘に一括で支払われます。
 内部で貢献度?によって分割されますが、すべてはボスの一任で、このあたりが内紛の原因であることが察せられます。
 オレの力量ならグループから離れてもやっていける、と判断して自立をします。だが、なぜか、本人の思いと異なり、売れない。結局元のグループに帰還するという例が見受けられます。だから、松平をみると、そんなことを思い出します。

 和田弘とマヒナスターズのデビュー曲は「泣かないで」です。続いて出したのが「夜霧のエアーターミナル」です。私的にはこれが好きで、ときどき聴きます。

mx20220618.jpg

 1978(S53)年のアルバムです。フランク永井の残した曲を毎日聴いています。最近聞いて印象深かったので紹介します。
 NEKのビッグ・ショーは当時たいへんな人気番組でした。だが、この番組の映像は残されていません。NHKにもビクターにもないとお聞きします。
 聴いていて耳障りが素晴らしいのは、もちろんフランク永井の歌声ですが、それだけではありません。演奏が小野満とスイング・ビーバーズ、東京放送管弦楽団、新室内楽協会という3つのすぐれた演奏があったからだと思います。
 ジャケット写真はカラーでご本人とゲストの沢田雅美が採用されています。沢田のトークはやや物足りないような気がしますが、フランク永井の軽妙な対応がすばらしいです。
 「こいさんのラブ・コール」から「君恋し」まで12曲が収められています。歌での注目は、ここでアイ・ジョージのヒット曲「赤いグラス」が紹介されている点。それに、この当時に一押ししたい曲「酒場の花」。舞台を降りた年の最後のシングル「あなたのすべてを」を歌っています。
 それから「月の砂漠」を歌っているところが、幅の広さを強調したのではないでしょうか。そして、ご本人が好きでよく歌っていた「追憶の女(おもいでのひと)」です。
 別のライブで語っているのですが、この歌はすばらしいいい曲なのですが、追憶の女と書いて「おもいでのひと」と呼ばせようとしたこと自身が、やや覚えやすさに難ありだったと。実は、この曲は1963(S38)年に「追憶(ついおく)」に曲名を変え、ステレオ版でもリリースしています。
 だが、それはかえってファンを混乱させたようで、その後(1967年のあとに)は元に戻しました。この曲への思い入れは、指摘するまでもなくいい歌なのですが、1958(S32)年フランク永井を全国区に押し上げた「有楽町で逢いましょう」の直後の盤であったということもあったのではないでしょうか。
 NHKのテレビ番組としては、フランク永井の代表曲を扱わずにはおれません。「有楽町で逢いましょう」「大阪ろまん」「おまえに」「公園の手品師」「君恋し」です。
 いい楽団をバックに彼の声を聴けたファンは大満足したことでしょう。
 フランク永井の曲のバックの基本はビクター・オーケストラです。ライブ盤では浜田清とフランクス・ナイン(セブン)が定番です。だが、リサイタルとなかると、時の著名な楽団がバックを務めるので、見逃せません。
 特定の楽団となると、楽団長は曲に独自のアレンジをするのが仕事です。演奏する人の数と楽器の種類を考慮して、魅力的な編曲をします。耳の肥えたファンに新鮮なメロディーを届けます。
 この盤ではいずれもいいのですが、印象的なのでは締めに歌われた「君恋し」ではないでしょうか。前奏なしでいきなりフランク永井の低音が前面にでます。それを低く、軽く、弦楽器が追います。歌手の声、歌唱、息遣いを表にだすことで、歌手の魅力を押し出しています。プロの気遣いと腕のよさです。

mx20220606.jpg

 フランク永井の恩師吉田正は1921(T10)年1月生まれです。生誕百周年になりました。そして1998(H10)年6月にお亡くなりになりました。この6月はそうした意味でさまざまな記念行事もあるものと思われます。
 ビクター・ファミリー・クラブからCD全集「夢と希望の流行歌〜吉田正作品集」が5月19日に新発売されました。全101曲ですが、内14曲は初デジタル化された曲が収められています。
 吉田正は言わずと知れた、戦後日本の流行歌界の大御所です。生涯で2400曲を作ったとされています。ビクターの専属作曲家で、帝王の名をほしいままにしました。それだけに、フランク永井をはじめ多くの歌手を育てました。
 ビクター所属の多くの歌手に曲を提供しています。この度の作品集は従来発売された全集・作品集・選集と少し趣が違います。
 それは、いかに幅広いジャンルの曲を多くの歌手に提供してきたかを誇るような作品集になっています。吉田学校の生徒で有名な鶴田浩二、三浦洸一、フランク永井、松尾和子、橋幸夫、和田弘とマヒナスターズといった方々の曲だけでなく、いままでなかなか耳にしたことのない曲が満載されていることです。
 多くの歌手はすでに亡くなっているのですが、世に貢献したこうした方々の、放っておけば歴史の記憶に埋もれてしまうような曲が、多数蘇っていることです。
 当時の時代で歌を耳にして「これは」と感じて、自分の思い出と重なる曲が、多くの方にあるのではないでしょうか。すばらしい作品集です。
 フランク永井の曲は6曲収められています。

■DISC-1:異国の丘、落葉しぐれ
1.異国の丘/竹山逸郎、中村耕造
2.流れの船唄/竹山逸郎
3.腰抜け二挺拳銃/轟夕起子
4.さすらいの港町/平野愛子
5.七つの星座/渡辺はま子、宇都美清
6.アイ・ラブ・ユー/乙羽信子
7.嘆きの乙女旅/渡辺はま子
8.わたしは島の紅椿/野崎整子
9.私は二挺拳銃/久慈あさみ
10.ナガサキ・コンガ/暁テル子
11.ロンドンの街角で/小畑実
12.浮名化粧/市丸
13.あゝヒロシマの鐘は鳴る/宇都美清、乙羽信子
14.浅太郎月夜/宇都美清
15.街のサンドイッチマン/鶴田浩二
16.花の三度笠/小畑実
17.しのび泣く夜の雨/淡谷のり子
18.白樺の雨/宝とも子
19.故郷は山の彼方/灰田勝彦
20.落葉しぐれ/三浦洸一
■DISC-2:赤と黒のブルース、有楽町で逢いましょう
1.あんみつ姫/雪村いづみ、ビクター児童合唱団
2.馬鹿じゃなかろか/トニー谷
3.トルコのチャイナ・タウン/宇都美清
4.アラビヤ新婚旅行/宮城まり子、高島忠夫
5.赤と黒のブルース/鶴田浩二
6.コンコン・コンガ/雪村いづみ
7.チロルの花祭り/生田恵子
8.東京チャップリン/宮城まり子
9.弁天小僧/三浦洸一
10.ゴジラさん/青木はるみ
11.おばこマドロス/野村雪子
12.哀愁の街に霧が降る/山田真二
13.天城悲歌/曽根史郎
14.好きだった/鶴田浩二
15.花の十九よさようなら/藤本二三代
16.泣きとうござんす/大川橋蔵
17.肌色の月/石井好子
18.夜霧の第二国道/フランク永井
19.有楽町で逢いましょう/フランク永井
2.男のいる街/豊田泰光
■DISC-3:素西銀座駅前、誰よりも君を愛す
1.西銀座駅前/フランク永井
2.西銀座裏通り/朝倉ユリ
3.都会という港/山本富士子
4.素肌の女/浜村美智子
5.泣かないで/和田弘とマヒナスターズ
6.貴方だけ/水谷良重
7.夜霧の空の終着港{空の終着港=エアー・ターミナル}/和田弘とマヒナスターズ
8.素晴らしき十九才/津川雅彦、ブライト・リズム・ボーイズ
9.グッド・ナイト/松尾和子、和田弘とマヒナスターズ
10.東京ナイト・クラブ/フランク永井、松尾和子
11.誰よりも君を愛す/松尾和子、和田弘とマヒナスターズ
12.憎い人/市丸、和田弘とマヒナスターズ
13.霧の夜空に消えた恋/藤田功、多摩幸子
14.潮来笠/橋幸夫
15.再会/松尾和子
16.逢いたいなァママ/佐川ミツオ
17.旅は青空/里見浩太郎、藤本二三代
18.白い花のブルース/平野こうじ
19.高原に咲く恋/山中みゆき
20.渡り鳥何処へゆく/平尾昌晃
■DISC-4:寒い朝、いつでも夢を
1.寒い朝/吉永小百合、和田弘とマヒナスターズ
2.三味線ツイスト/神楽坂浮子
3.いつでも夢を/橋幸夫、吉永小百合
4.伊豆の踊子/吉永小百合
5.夢の風船旅行/中尾ミエ
6.軽井沢物語/鰐淵晴子
7.美しい十代/三田明
8.三味線一代/榎本美佐江
9.二人の星をさがそうよ/田辺靖雄
10.霧の中の少女/久保浩
11.恋をするなら/橋幸夫
12.白い橋/三田佳子
13.明日は咲こう花咲こう/吉永小百合、三田明
14.妻を恋うる唄/フランク永井
15.若い真珠/柏木由紀子
16.愛の歓び/星由里子
17.この胸のときめきを/小川知子
18.恋のメキシカン・ロック/橋幸夫
19.大坂ブルース/奈美悦子
20.恋しぶき中乗り新三/三沢あけみ
21.出世太鼓/冠二郎
■DISC-5:傷だらけの人生、おまえに
1.和歌山ブルース/古都清乃
2.男の波止場/瑳川哲朗
3.傷だらけの人生/鶴田浩二
4.想い出の女{女=ひと}/黒沢明とロス・プリモス
5.未練の女/日吉ミミ
6.子連れ狼/橋幸夫、若草児童合唱団
7.白夜に燃えて/佐良直美
8.おまえに/フランク永井
9.新地ワルツ/レッツゴー三匹
10.銀座ブルー・ナイト/青江三奈
11.麻衣子/三善英史
12.初恋音頭/西川峰子
13.じょっぱり音頭/金沢明子
14.俺の詩/江夏豊
15.けい子のマンボ/殿さまキングス
16.おんな浜酒場/扇ひろ子
17.お先にどうぞ/由紀さおり
18.父娘で乾杯/梅宮辰夫、鶴田さやか
19.雪の慕情/佐々木功
20.花蕾(はなつぼみ)/美空ひばり

カテゴリ

月別 アーカイブ

このアーカイブについて

このページには、2022年6月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2022年5月です。

次のアーカイブは2022年7月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。