8月15日「新・BS日本のうたスペシャル 作曲家吉田正生誕百年記念コンサート」を楽しむ

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 終戦の日の夜、フランク永井の恩師吉田正の生誕百年を記念した番組が放送されました。これは今年7月8日に、生誕地である茨城県日立市民会館で催されたものです。吉田正記念事業推進委員会が主催しました。
 ファンの期待に十分に応えた、大変にいい番組でした。日立市は展望のよいカネミ公園に吉田正音楽記念館を運営しています。市の生んだ誇るべき偉人だからです。吉田正には1998年に国民栄誉賞が付与されています。
 1時間半というなかに、歌と想い出の語りとがぎっしり詰めましたが、けっしてぎゅうぎゅう感のない作りでした。語り・ナビゲーションはNHKのアナウンサーで、吉田正、フランク永井番組では定評がある、石澤典夫でした。
 放送された曲ですが、下記にあげます。この選曲も充分に練られたものです。当日歌ったゲストの名は、曲名の後ろに記しました。現時点で吉田正、フランク永井を扱うときのゲストの選択という点ででも、ファンの期待に沿って選出されています。

「異国の丘」竹山逸郎・中村耕造・全員
「潮来笠」橋幸夫
「美しい十代」三田明
「弁天小僧」福田こうへい
「キューポラのある街」城南海
「街のサンドイッチマン」三山ひろし
「勇気あるもの」長山洋子
「再会」坂本冬美
「後追い三味線」市川由紀乃
「落葉しぐれ」五木ひろし
「有楽町で逢いましょう」フランク永井映像
「公園の手品師」ささきいさお
「西銀座駅前」ささきいさお
「東京午前三時」ささきいさお
「傷だらけの人生」鶴田浩二映像
「寒い朝」城南海
「夢千代日記」吉永小百合、坂本冬美
「恋をするなら」橋幸夫ほか
「明日は咲こう花咲こう」三田明ほか
「あの娘と僕(スイム・スイム・スイム)」橋幸夫ほか
「みんあ名もなくまずしいけれど」三田明ほか
「恋のメキシカン・ロック」橋幸夫ほか
「和歌山ブルース」古都清乃
「霧子のタンゴ」五木ひろし
「誰よりも君を愛す」五木ひろし・市川由紀乃
「東京ナイト・クラブ」五木ひろし・市川由紀乃
「花蕾」長山洋子
「面影渡り鳥」橋幸夫
「いつでも夢を」全員

 全体を通じて素晴らしかったのですが、文四郎的に印象的だったことをいくつかに、絞ってみます。

 まず、第一に、映像で歌ったのは、フランク永井と鶴田浩二です。フランク永井のNHKが所有する最も古いと思えるのは、1968(S43)年の「歌まつり明治百年」での「有楽町で逢いましょう」なのです。今回使用したのは翌年の「第1回思い出のメロディー」(S44.8.2)の映像でした。渋谷公会堂、宮田輝アナウンサーの司会です。
 フランク永井の初期映像は少ないので、大変貴重です。この映像を流してくれたことに、感謝をします。ファンの気持ちを考えている証拠です。

 二番目には、吉永小百合、坂本冬美の「夢千代日記」の共演です。そもそも吉永小百合が歌番組に出ること自身が大変珍しいことです。彼女は自分は映画俳優だということで、歌は基本的にきっぱりと出ないことにしています。これは歌の世界、作者たちに対する敬意からです。
 彼女は戦争についての記録の朗読ということを、長く続けてきました。今回も吉田正に関係した朗読をされています。坂本との共演も朗読で参加しましたが、終盤の「いつでも夢を」の全員合唱では、歌う姿も見受けられました、
 この歌は橋幸夫とのデュエットなのですが、最初に歌ってから今まで、橋とのツー・ショットはわずか数回です。当時のEP盤吹込みも、別取りするほど互いに忙しかったのです。その後、彼女が意識的に歌番組からオファーがあっても、断ってきたからでした。
 彼女の今回の番組への出演は、何といっても吉田正の偉大さです。

 三番目には、吉田メロディーへの若い歌手の参加です。ささきいさおの三曲メドレーは、いずれもテレビ初出の歌唱でよかったです。五木の「霧子のタンゴ」は何度も歌っているだけに、聞かせるものでした。
 だが、そうしたベテラン勢に加えて、文四郎一押しの三山ひろし、好きな城南海、ファンである坂本冬美、市川由紀乃、といった若手(でもないという声もあるけど)が吉田メロディーを歌ったことです。しかも、この歌手たちは、実にうまくうたっていることに感心しました。

 最後に、吉田正が美空ひばりに作った「花蕾」を長山洋子が歌いました。この曲を制作陣が選んだことにも評価を表したいと思います。美空ひばりは、吉田正と同時代の偉人でした。レコード会社の違いから、互いに敬意を持ちつつも、なかなか実現しなかったことが、阿久悠をはさんで後年に実現した作品です。この時には、ビクターもコロンビアも、厳格な会社間協定があるにもかかわらず、暗黙の了承をしています。時代の流れも背景にありますが、大人の対応をしたのですね。
 ということで、優れた番組を楽しませていただきました。

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このページは、文四郎が2021年8月16日 13:13に書いたブログ記事です。

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