
今回はフランク永井は登場しません。フランク永井の現役時は、当然この歌手協会に所属し、1985年の第7回歌謡祭で「おまえに」を熱唱していた映像が残されています。
年頭からの新型コロナウイルスの流行で、今年は例年の2日間の長時間開催は中止されました。テレビ東京のスタジオから、2夜おのおの4時間、計8時間に及ぶ歌謡番組として放送されました。
現役の第一線で活躍する著名な歌手ばかりでなく、幾人かはなかなかテレビ番組ではお目にかかれない歌手も登場しました。司会はメインが例年通りの合田道人で、サブは何人かの歌手が勤めました。2夜で105曲歌われました。
ブログで何度か触れていることですが、歌好きの人でも、全般的にすべて歌は好きだという人は多いわけではなく、ほとんどは好きな歌の傾向、好きな歌手の傾向があります。つまり、嗜好が一人ひとり異なるわけです。
著名な歌手というのは、比較的多くの歌好きから好まれるヒット曲を持つ歌手なわけです。スポーツでも芸人でも人気の人と、そうでない人では収入に雲泥の差があり、自らの生活を支えるためにさまざまな本職外の仕事についており、どちらが本職か分からない状態で頑張っておられる方もいます。
十年以上前になりますが、勤めていた事務所に顔を出していた女性の歌手がおられました。この方はこの季節になるとこの歌謡祭にでる、でないの境におられました。「今年は出る」といって、入場券をすすめられ、当日間近になって、実は健康を害され出場辞退のハプニングがおこりました。
ご本人の歌唱はちゃんと聞いていなかったので、それなりに楽しみに期待していたのですが、このようなこともあることを知った次第です。
著名な歌手は、歌手に専念でき、プロの意識は徹底していて、喉の調子を崩さないようにと風邪などひかないように、ちょっと異常にみえるほどの注意を払っています。実際にスケジュールを乱す辞退などは、事情によっては以後の仕事に影響しますから、当然ですね。
さて、余談で話が膨れましたが、歌は嗜好品という関係から、歌手協会歌謡祭は長時間となり、通して観るのは辛いことが多いです。お酒をちびりながら、ちゃちを入れつつ観るのですが、さすがに8時間の長丁場は年寄りには過酷です。
そのために、録画して鑑賞することにしたのですが、観る方針を決めました。これはと感じたものはじっくり見る、この程度でいいやというものは一番を聞いたら30~40秒程度早送りする、これは特に聞かなくてもいいと思ったものは最初の10秒程度だけにする、というふうにしました。
それでも、相当な時間を要し、3回に分けたような次第です。
今年はオリンピック開催の予定だったので、前の東京オリンピックの開会マーチを作った古関裕而のコーナーがありました。そこで代表作の一つ「イヨマンテの夜」を細川たかしが歌いました。声量満開でしたね。
北から南まで日本列島の地域を追ったコーナーでは「そして神戸」ですが、この曲は内山田洋とクールファイブで前川清の歌唱と思い込んでいたのですが、実は野村将希のアルバムの一曲だったのだと紹介がありました。
今年惜しまれた亡くなった筒美京平偲ぶコーナーでは、まず岩崎宏美の「ロマンス」。歌唱が安定してましたね。
続いてジュディ・オングの「魅せられて」。ここでの蝶のような衣装には衝撃を受けましたね。当時から、よくぞ、こんな仕組みを考えたと深く感心したものです。彼女は当時のテレビドラマで好きな時代劇に出演していて、近年再放送されているのを観て楽しんでいます。
ふだんあまり観ることのできない歌手の姿を観るのも、この番組の楽しみです。この度の番組では、サザエさんの主題歌を歌った宇野ゆう子さん。流行った当時は可愛い子供であった「黒ネコのタンゴ」の佐川おさむさん。
フランク永井の姿を観れないのは残念ですが、歌で世を励ました歌手たちの功績は偉大です。歌手協会の歌謡祭がこれからも続いてくれれることを願います。しかも年寄りになっても歌い続けているのだぞという姿を見せてください。
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