大津美子と「銀座の恋の物語」をデュエットする映像を鑑賞

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 全世界の経済を「コロナ怖い」で停止するという空前の実験がなされた、と言いたくなるようなご事態。戒厳令下、自ずと自分を自分で自宅軟禁する。テレビドラマや、映画の鑑賞も増える。普段ならあまりみないyoutubeを見る機会もでてくる。というような幻覚か、錯覚かを増幅するご時世のおかげで、フランク永井が大津美子と「銀座の恋の物語」を歌うという、いままで見たことのない映像を観た。

 大津美子は誰もがご存じで「ここに幸あり」や「東京アンナ」が頭に残る。日本からハワイや南米に移住した方々がこの歌のすばらしさに日本を思い起こし、絶賛を送った。確か大津も現地に行って大歓迎を受けている。
 大津美子について忘れられないのは、恩師渡久地政信との出会いからデビューだが、これは渡久地政信の自伝「潮騒に燃えて」を読んで知ったものだ。「東京アンナ」は渡久地が大津を知りぬいてその個性を引き出した名曲だ。
 渡久地はもともとビクターだが、ヒットがないとつれなくもクビにしたくなる。渡久地はキングに行く。ちょうど古関裕而をモデルにした朝ドラで、コロンビアが売れない古関を雇うときに出した報酬は、その後のヒットの報酬の前渡しだといって、クビにしそうになるのと重なる。
 だがビクターは渡久地を放す。渡久地はキングで「お富さん」(春日八郎)「上海帰りのリル」(津村謙)と豪砲を放つ。大津の「東京アンナ」の後、ビクターに戻り、ここでもフランク永井に「俺は淋しいんだ」「夜霧に消えたチャコ」などのヒット曲を作る。
 キングを離れるときに大津は恩師と離れるわけだが、淋しさを感じたようだ。渡久地も同じだろう。

 19666年にフランク永井は大津美子とカップリングを出している。1面が大津美子の「ホステス物語」でフランク永井はB面「千花子の手紙」。いずれも渡久地政信の作曲作品。ただ、当時、これはあまり売れたとはいえない。この年は「大阪ろまん」(B面「おまえに」の第1回目)を出していて、現在代表曲になっている「おまえに」は「大阪ろまん」の裏で沈んだ感じだ。
 フランク永井ファンとしては、大津美子はこのときのジャケットをも記憶に残している。大津と言えばキングだが、このときはひとときでも渡久地のビクターに移ったのだろうか。

 youtubeの映像はいつのテレビ放送なのかはあいにく分からない。だがフランク永井は大津とひさしぶりでお会いしてのデュエットだろう。さすがに二人ともすばらしい歌唱を披露している。
 「銀座の恋の物語」は石原裕次郎と牧村旬子のデュエット曲で、いまでも人気の曲だ。牧村は本名はそのままの文字を書いて「みつこ」で初期の芸名もそうだったのだが、やはりそう読む人はいなかったからか「純子=じゅんこ」に変名。だが、初期の旬子にもどし「じゅんこ」と普通にもどしたようだ。
 「銀座の恋の物語」は同名の映画があるので、一気に主題歌も人気を得たのだが、実はこの歌は、裕次郎主演でその前に作られた「街から街へつむじ風」(1961年日活)の挿入歌だった。と、いつも映画でさまざまなエピソードを聞かせてくださるZさんの情報。
 この映画の1年ほど前に、フランク永井は松尾和子をデビューさせる。そのときの曲が「東京ナイト・クラブ」。そのA面は松尾のデビュー曲「グッド・ナイト」。「東京ナイト・クラブ」は押しも押されぬ大人のデュエット曲の人気定番。
 このにあやかろうと裕次郎のテイチク・スタッフが立ち上がる。作詞は大高ひさを、作曲は鏑木創。録音してすぐに売り出すのだが、譜面を裕次郎に渡してすぐに吹き込んだようだ。撮影で超多忙だったからだ。いつものように、街でその曲を聴いて「いい歌だな。だれが歌ってるんだ」と言ったかは分からないが。
 これは売り上げたレコードの数では「東京ナイト・クラブ」を抜いたかもしれない。銀座にはその立派な碑が建っている(1990年)。そこから僅か離れて、フランク永井「有楽町で逢いましょう」碑が建つ。

 かつてテレビで流されていたとはいえ、当時のことは記憶になく、フレッシュな気持ちでyoutube映像を楽しめた。そして、とりとめもないようなあれこれを思い起こしてみた次第。

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このページは、文四郎が2020年6月29日 16:34に書いたブログ記事です。

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