新商品「映像と音で綴るフランク永井ベスト」が発売された

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 映像と音の友社から「映像と音で綴るフランク永井ベスト」が新発売になった。http://www.eizo-oto.jp/product29641_892.html
 CD2枚とDVD1枚のセット。このセットの特徴としては、ビクター所有のフランク永井のミュージック・ビデオ映像がついたことではないだろうか。
 歌は「有楽町で逢いましょう」「夜霧の第二国道」「霧子のタンゴ」「大阪ぐらし」「加茂川ブルース」の5曲だが、フランク永井の歌う姿が比較的鮮明な映像であることだ。
 これが撮影されたであろう1970年代半ばのもので、いままでテレビでも使用されたことのない映像だと思われる。テレビ東京の「演歌の花道」よろしく、マイクを持たない歌う姿が楽しめる。制作目的からフル歌唱ではない。歌の2番とかの歌詞が省略されて時間を切り詰めているもの。
 ミュージック・ビデオの走りと思えるが、ギラギラさや忙しさの感じがまったくない、落ち着いた正統の歌唱映像で好感が持てる。当時のミュージック・ビデオでは歌手の歌唱に、強引にレコードの音を合わせているために、音声と映像のずれが多かったが、このフランク永井作品にはそれは感じられない。それほど、レコードの音源と同じような歌い方をスタジオでやったのだろう。さすがといえる。

 CDのほうだが、1枚目は「1 東京ナイト・クラブ」「2 羽田発7時50分」「3 西銀座駅前★」「4 有楽町で逢いましょう」「5 初恋の詩」「6 東京午前三時」「7 哀愁ギター★」「8 夜霧に消えたチャコ」「9 こいさんのラブ・コール」「10 赤ちゃんは王様だ」「11 あなたのすべてを」「12 君恋し」「13 おまえに」(★はモノラル)。

 ヒット曲を中心に曲を選びながらも、工夫がされている。基本的にステレオ版の音源を使用したものになっている。つまり「有楽町で逢いましょう」を始めとする、初期のヒット曲の音源はほとんどがモノラル録音であった。
 後日、時代の流れに合わせてステレオで音源を作っている。しかも「有楽町で逢いましょう」や「おまえに」「初恋の詩」などは、公式にもステレオ版は複数あり、曲によっては編曲も変えている。
 しかし、今回の商品では、モノラルとさせているのはTRK3とTRK7のみ。確かに「哀愁ギター」はモノラルのものしか存在しないと思える。「西銀座駅前」は後日版もあるはずなのだが、モノラル版が今回もそのまま使用されている。
 ステレオ版は公開されないまでも、モノラル版の録音とほとんど同時期にステレオ版も作っていたふしもあり、今回のCD作品で紹介されているのはそれなのか。聴いてみると、初期録音のモノラル版の演奏と歌唱と同じように受け取られるのだが、それは聴いてみて判断してほしい。
 もし初期の2曲と、すでにステレオ化されていた「おまえに」「あなたのすべてを」を除いて、他の曲がステレオでの収録なら、今回のCDは聴いてみるべきものに違いない。
 今回は「赤ちゃんは王様だ」「あなたのすべてを」が選曲されているが、別項「ラジオ深夜便」でも採用されたが偶然ではないだろう。
 今回のCD作品では、近年すっかり?見られなくなった、曲や歌手とか動向などについての解説がなされている。これは購入するファンの、うれしいことだ。曲についても実に的確で簡素にまとめられたコメントが添えられている。

 2枚目のカバーのほうも面白い構成になっている。

1 思案橋ブルース-1973「横浜・神戸・長崎"港"を唄う」
2 ブランデーグラス-1977「おまえに~おもいやり」
3 夜明けのうた-1967「恋心~フランク永井とともに」
4 今日でお別れ-1971「琵琶湖周航の歌」
5 二人でお酒を-1978「魅惑のゴールデン・デュエット」
6 炭坑節★-1961「フランク民謡を歌う」
7 あいつ-1967「恋心~フランク永井とともに」
8 ゴンドラの唄-1968「夜霧のブルース」
9 真白き富士の嶺★-1962
10 涙くんさよなら-「歌おう心のうたを(下巻)」
11 知床旅情-1971「琵琶湖周航の歌」
12 街の灯り-1978
13 上を向いて歩こう-「歌おう心のうたを(下巻)」

 曲名の後ろの文字は私のメモ。これらのほとんどはすでにカバーとしてCD化はされていたと思うが、フランク永井が最初に唄ったときの年代とLP盤名。
 フランク永井はカバーが秀逸といっていい。歌がうまいのでどの曲を聴いてもオリジナルとして聴ける。実際にTRK9「真白き富士の嶺」、TRK12「街の灯り」はシングルでも発売されている。TRK13「上を向いて歩こう」もほぼシングルがある(ほぼは...)。
 TRK6「炭坑節」は珍しい民謡もので、歌詞もフランク永井専用もの。
 「歌おう心のうた」という1977年ごろのLPがあるが、これは4枚+4枚の上下巻セット。ここでは上記の2曲と上巻で「公園の手品師」「お嫁においで」を歌っている。「お嫁においで」は加山雄三のヒット曲。
 TRK3の「夜明けのうた」はさまざまな歌手が歌っているが、やはり本家は岸洋子だろう。シャンソン歌手の岸は文四郎(藤沢周平「せみしぐれ」主人公)と同じ山形県庄内出身の歌手。難病でまだまだこれからというときに亡くなった。好きな歌手であったので、忘れられない。
 TRK12「街の灯り」は堺正章に阿久悠が詞を書いたもの。時代を切り取ったといわれる偉大な作詞家であった。彼の名とともにこの曲は長く残ると思う。フランク永井の「街の灯り」は、堺正章のとはまったく異なるおもむきを楽しめる。
 これからも、昭和の大歌手フランク永井の、今まで日の目をみていないような曲や映像を紹介していただければうれしい。ビクターさんのなかなかおもてにでることはない、追及新に大きな拍手を送りたい。

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このページは、文四郎が2019年11月 8日 17:59に書いたブログ記事です。

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