「AIでよみがえる美空ひばり」番組いかがでした。取り組みはすごい

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 9月末にNHK総合で放送された。やはり、賛否両論のようだった。
 「フランク永井、AIでのそっくりさん復刻をファンは望むか? それとも楽しむ?」という記事にたいして、文四郎はどうなんだともいわれて、追加記事をちょっとだけ書いてみたい。
 美空ひばりは1989(H1)年に亡くなっておられるので、それからすでに30年。フランク永井と同様ファン層が大きく変化していいるのは避けられない。同時代のファンが高齢化しているのはやむを得ない。
 そうしたなかで、この番組の企画は大きな期待と刺激を与えてくれた。現在の日本の最高水準の技術で「甦らせてみよう」と企画して1年間、参加したエンジニアと関係者は何百人にも及んだとのこと。ソフトの感性を迎え、収録でNHK会場に集合して、結果を見ての感想は大いに感心した、感激したというところだった。
 生きているような姿に涙を流す人も多かった。「AIでよみがえる美空ひばり」企画に携わった方々の、エネルギーの注ぎ込みようが伝わってきた。曲作り、演奏は実演。曲は「あれから」という題目。セリフ入りになっている。最終的には3DCG、つまり高解像度の3次元映像にして、会場中央のスクリーンに投影する方式であった。これはホログラムなのか、ちょとと疑問だった。
 音声再現の担当は、ボーカロイドを世に送ったYAMAHAチーム。美空ひばりの歌唱のすごさは1フレーズ単位で表現を変えるのをベースにしながらも、1音単位で表情をだしていること。これが他に絶対にまねのできない歌唱にしている。音符と音声の微妙なタイミングのズレ、ときにはホーミー(モンゴルの特徴的な発声で高次倍音)が入るという高度なもの。これをAIに学習させたという。確かに、歌唱に奥行きが表現される。
 「あれから」にはセリフが入る。語りを入れるのはボーカロイド・チームでは初めてという。これは本人が息子に残したテープ音声が利用された。曲間の語りが自然さを増した。
 さらには映像化の課題。残されたひばり映像から後年と思える新たな映像を作る。振り付け、髪型が新たに創作される。ほとんど新曲発表と同じ手順だ。振り付けは天童よしみに実際に歌ってやってみたものをベースにする。しかし、何といっても最大の難問は歌う表情であろう。
 文四郎的には、出来上がったアンドロイドの表情がやや不満だったかな。
 歌唱はわずか、フレーズ間に無理な箇所が感じられてものはあったが、おおむねひばりの歌唱は再現されていたと思う。セリフも含めて歌唱の再現性としてはよかったと思う。だが、アンドロイドというかひばりロイドというか、やはり生きた人間と異なるなと。遠目はこれでいいのだろうけど、アップはやや厳しい。目つきもやや変だが、歌う口元がアテレコ風な感じ。あと、ひばりはややオーバー・アクションぎみなところがあるのだが、そこが抑えられ過ぎた感じ。歌のテーマとの関係かも知れないが、ほほ笑み伝わってこない。
 だが、この画期的な挑戦には拍手を送りたい。
 この番組を観る前に思うところがあった。それは、番組でも紹介されていたが、米国や外国ではとびぬけた技術がすでに存在し、その結果が報じられていることだ。
 例えば、オバマとかトランプ映像だ。そうとう細かく検証でもしなければフェイクとは判断できない。プーチンについてもさまざまな噂がある。報道される映像の中にはバーチャルで作られた映像で語られているのがあるとか。
 映画のは使用目的が限定されているとはいうものの、音+映像+表情の加工はあって当たり前になってきている。実写だけではなく、アニメの世界になると、文四郎世代になるとさらに驚く。例えばディズニー作品「トイ・ストーリー」などにおける、感情表情表現は完成している。
 コマーシャルの世界も同じで今放映されている携帯Galaxy。巨大なスタジアムの中央にサーフィン映像がホログラムで浮き上がる。当然かもしれないが瞬時「演出だよ、イメージだよ」という意味合いのキャプションがでる。だが、実は同様のことが現存しているということで、いくつか映像を観たことがある。未確認だが、ドバイでは観光としてそれを見せているという。来年の東京オリンピックの開会式は綿密な企画が進んでいると思えるが、Galaxyでみせたホログラムが登場するかもしれない。
 フランク永井の甦りはどうなのか?って。今回の番組を観る限りでは、近く再現することはないね。費用効果がなさそうだ。ボーカロイドのように、その気があれば安価にだれでもトライできる技術公開がなされ、映像のほうも多くの人たちが遊びのようにさまざまいじられるような環境ができたなら、どなたかが作るかもしれない。
 若い人が言うには、携帯で自撮りした自分の顔をその場で、瞬時に若返らせたり、年寄りにしたりすることでふざけあうアプリが流行っているのだとか。性別の変換までしてみせるというからきっと気楽で楽しいに違いない。

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このページは、文四郎が2019年10月12日 15:50に書いたブログ記事です。

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