1970年代にPONYから発売されたカセットテープ「夜のムード~石原裕次郎/フランク永井」の発見

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 西日本豪雨、大阪地震、台風21号、そして北海道地震と日本中がすさまじい災害のなかにある。背後で何があるのか。人間は自然を自在に改変するのだとのおごりに対する、天からの反撃なのであろうか。
 災害は日本だけではないようだ。無数の山火事、多くの強度地震、激しい集中熱射が各地を覆い、多数の犠牲者と回復の見通しがつかないような被害にあっている。こころから被災者にお悔やみを伝えたい。あわせて一国でも早い復旧を祈願する。
 お上は何兆円にも及ぶ武器を新たに調達するようだが、それをすべて災害手当てに回してほしいものである。
 このブログはフランク永井のあれこれをテーマにしたもので、それ以外のテーマに触れるのは本来ではないのだが、日本を覆うこの夏の巨大被害については、避けて通れないのでご容赦のほどを。
 さて、表題のメインテーマに戻るが、毎回に貴重で高度な情報を寄せていただいているKさんからカセットテープ「夜のムード~石原裕次郎/フランク永井」(PONY)を聴かせてもらう機会を得た。Kさんに感謝を表しつつ紹介させていただきたい。
 PONY(現ポニー・キャニオン)が1970年代に独自の企画で多くのカセット・テープ商品を発売したことは、たびたび触れた。フランク永井の歌っているのを発見するたびに、問い合わせたりするのだが、基本的に資料のトレースが困難であることや、当時の情報を知るものが担当にいないことなどから、当然なのだろうが、詳細なデータは得られなかった。
 現在までの筆者の手元に寄せられたものについては、その都度このブログで紹介しているが、PONYカセット商品には特筆するものがある。
 それは、当時PONYがかかえる大手歌手が少なかったことから他のレコード会社との提携で大物歌手を借りられたことだ。独自の企画にもとづいて、オリジナルを用意したり、カバーを歌わせたりした。しかも、多くをPONYが用意した演奏を用いた吹き込みをしたことだ。
 フランク永井については、75曲以上の吹き込みをしており、その半数35曲は所属レコード会社ではビクターからも発売されていないオリジナルという、すごさだ。
 これまでにフラン永井がらみで判明しているPONY製品は下記だ。
 20CPJ-017 最新ヒット20を唄う(TAPE)
 20PJ-0078 ナイト・クラブで20曲(8TRACK)
 20CP-6031 デラックス20夜のムード歌謡(TAPE)
 36P-1106  カラオケファンのためのムード歌謡20選(TAPE)
 8PJ-3144  長崎は今日も雨だった~最新ヒット歌謡をうたう(8TRACK)
 CS-6039-夜のムード~石原裕次郎/フランク永井(TAPE)
 例によって今回のカセット自身にも、正確なリリース年月は表記されていないのだが、1970年代には違いなかろう。
 しかも今回のテープは、ずばり石原裕次郎とフランク永井を並べて取り上げたということだ。当時といっても当時より前だが、日本の低音歌手といえば、フランク永井、石原裕次郎、三船弘であった。
 裕次郎は日活の看板スター。歌はテイチクから大量にだされた。オリジナルとカバーをあわせてフランク永井を超す数を歌ったかもしれない。レコード会社が異なる歌手をこのように並べて作品を出すことなど、当時は思いもよらないことで、PONYだからこそ実現できた夢のような作品だ。
 そんなわけで、ビクターの看板男と日活・テイチクの看板男がおなじテープで、交互にそれぞれ10曲歌う。PONYが用意した演奏の編曲は確かに独自色が強く、若干なじみがないのだが、それでも人気歌手二人の歌唱を満喫できるようになっている。
 だが、この企画は同時に二人の歌についての姿勢と歌唱力の相違をみせつける結果にもなっているのが皮肉だ。
 収められている曲はフランク永井がほとんどをカバーとして歌っているものだから、自信をこめたすばらしい歌唱をしている。裕次郎の曲はそれだけを聴くぶんには、それなりの歌として聴いて気持ちいものなのだが、並べるのはちょっと気の毒というのが著者の受けた感じだ。
 裕次郎は自身も言っているように、俳優であっても歌手ではないと。それは彼の自覚どおりで、生涯俳優として休む暇もないほどの多忙のなかで、周囲から歌わせられたものだ。ただ、彼の場合は天才的なラフな歌い方と天分としてカラッとした声質が、ファンには心地よくとられて、まるで歌が「うまい」ように見えたから、何とも得なことだ。
 本文である俳優業としては3分間の演技として、歌詞を語る。この自然さがよかった。「歌は語るように」という、歌手には至難の技を彼は地でこなした。
 彼の歌の数が増えたのは周囲があれも、これもと歌わしたのも事実だが、独立映画に打ち込んだ時に全財産をそれにぶちこんだことから、金欠になり、歌で稼ぐことに向かざるを得なかったこともある。
 平岡精二が作詞作曲した名曲「あいつ」1958(S33)の旗照夫がオリジナルだが、この語りかけるような典型的な歌を、ここでは裕次郎が歌っている。これは名曲だけに多くの歌手がカバーしている。これを誰もがうなずくように歌い上げているのはフランク永井だ。
 演技として語りかける。俳優の裕次郎はどう歌うのか。これは逆に裕次郎が何を意識したのか彼のいい点が、本来出すべきこの歌ででてない。比べちゃいけない曲を入れてしまったような感じだった。
 黒木憲の名を知らしめた「霧にむせぶ夜」を裕次郎が歌っている。これはフランク永井はカバーしていない。というか、歌ったに違いないが音源が残っていない。裕次郎の「二人の雨」もここで聴けるが、これもフランク永井のカバーはない。
 PONYに感謝し、まだまだフランク永井inPONYが出てくる楽しみを期待しつつ。

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このページは、文四郎が2018年9月 8日 14:00に書いたブログ記事です。

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