2018年5月アーカイブ

mx20180520.jpg

 この5月20日に第12回東京ラジオ歌謡音楽祭が開催された。
 フランク永井はNHKラジオ歌謡で「1958:アイスクリームの夜」「1959:いつの日逢える」の2曲を歌った記録がある。その縁でラジオ歌謡のグループに属する方からの紹介でかなうなときには出かけて楽しむようにしている。
 ラジオ歌謡はNHKから1946(S21)年から1962(S37)年まで放送された。フランク永井がデビューしてしばらくの「有楽町で逢いましょう」をヒットさせた時期までで、戦後の人びとのこころに大きな印象を残した。
 戦後の日本人の歌の傾向がジャズ、流行歌、ロカビリー、演歌、フォーク、GS、ニューミュージック、Jポップス...等々目まぐるしく変化していくのだが、終戦直後に人気を得てその後の開始点になったのがラジオ歌謡だ。
 日本人的な清楚で凛としたこころもちを歌で表現し、その精神がどんどんと文化が多様化するなかで、こころの中心に持つべき意識ではなかろうかという人たちが、ここ20年程忘れられつつあるラジオ歌謡の全容に迫ろうとしてきた。
 当時関係した当事者である作詞家、作曲家、歌手、制作に携わった方がたの有志が集まり連携して資料を収集してきた。同時に自主的な歌い会を着実に催してきた。記憶にある曲を歌い継ぐ。譜面が残されていない場合は記憶から起こす。音源が残されている場合は採譜する。それをアコーディオンやピアノや楽器で演奏を作る。
 当時は放送の記録をあまり残していない。音源も残っているがむしろまれだ。初期のNHK紅白歌合戦の音源や映像すらもだ。だから、フランク永井の当時の放送記録や映像がないのをたびたび嘆いてきた。
 歌う会の方がたの努力がいかほどのものか、計り知れないものがある。そうした中のお一人が村越前会長だった。以前にも紹介したが、歌唱指導はもとより、採譜家、アコーディオンの奏者でもあり、歌声喫茶最盛時代にご活躍したとご本人からうかがった。フランク永井が歌った400余曲の内演奏(カラオケ用、歌のない歌謡曲用等々)が160余曲あることを紹介したが、そのうちの多くが村越さんの採譜とアコーディオン演奏だ。
 アコーディオン演奏といっても、現在のシンセサイザーの前身のようなもので、さまざまな音色、楽器色、キーの変化を加えて、多重録音・合成までやってるのもあって、聴いただけでそのご苦労が伝わる。
 村越さんはご高齢にはさすがに勝てずに昨年末に逝去された。
 東京ラジオ歌謡を歌う会はフランク永井の先輩でS30年にビクターからデビューした祝太郎氏が会長を継いでいる。副会長は東京の会創設の中心的な立役者である神尾善子氏。同会にとっては今年の歌謡祭は村越さん追悼でもあった。
 さて、当日の催しの内容だが、ラジオ歌謡で歌われた歌でよく知られている曲から会員が掘り起こす珍しい曲まで60曲近くが披露された。デュエットもあれば子供たちで歌うのもある。歌手顔負けの素晴らしい歌唱。ご高齢であるにもかかわらず、通る若々しい歌声と感心するばかり。
 今年もゲストは宝田明はじめ、ラジオ歌謡の作曲家として多数の貢献をされた八洲秀章の長女村松美和子さんと沢木順さん。演奏はエレクトーン奏者長谷川幹人。
 「みなさんで歌いましょう」とか「ラジオ歌謡とまちがえられる曲コーナー」とかあって、長時間にもかかわらず飽きさせない工夫がなされている。
 近年こうした方々の努力のかいあって、ラジオ歌謡のCDボックス発売とかラジオ深夜便での特集とかなされている。
※写真中枠が村越光男前会長
mx20180512.jpg

 まず、BSで「決定版!これが日本の名曲だ~ご当地ソング20選」という番組が放映された。ご当地ソングといえば、フランク永井ファンにとっては「有楽町で逢いましょう」だ。これは観なきゃ、と思っていると、期待通り「東京・有楽町」のご当地ソングとして流された。
 この映像は珍しい。1961(S36)年にテレビ番組「心に生きる1000曲のうた」が放送されたときの映像だという。「有楽町...」が発売されて4年目、29歳のときのものだというのだ。フランク永井の右目が左の倍のサイズのときだ。
 こんな映像が残っていたのか。「ない」「破棄した」といっていたのにあったのか! 何故に今まで出し惜しみをしていたのか。などと何かにどこか似ているな、などと思っているうちに、短時間のブチ切りで終わってしまった。
 短時間とはいえ、よくぞこんな映像を流してくれたものだ、と感心、感謝。
 何年か前に知り合いになった方のお誘いで、その時にはあいにく店が閉まっていて訪ねられなかったのだが、ついにその方と蓄音機とSPレコードの専門店「銀座シェルマン」を訪ねることができた。
 蓄音機ファンなら思わず垂涎。1階と2階にぎっしりとおよそ百年を経過する蓄音機がびっしり(もちろんその後のものも)と並んでいる。世界中の名作・名盤をよりすぐって仕入れたものだ。また、SPクラッシック盤の名盤とおぼしきものが何千枚かが展示されている。紹介してくださったYさんによれば、質の高い名盤と蓄音機ならここに勝るところはないと。
 お客さんもコレクター、あるいはその世界の専門家とおぼしき方が何名か、鋭い目つきで探したり、音に聴き入っている。
 ご担当の方といろいろとおしゃべりをしていたら、突然に「ウチはこの方面の盤はほとんどないのだが、お持ちの方から...」として、フランク永井のデビューから初期盤である「場末のペット吹き」「東京午前三時」「夜霧の第二国道」「公園の手品師」「西銀座駅前」の美盤を持ってこられた。
 そして「公園の手品師」を聴かせていただいた。ということなのだが、かけたのはEMG HANDMADE GRAMOPHONEという蓄音機。このメーカーのものでもいわば特殊な愛好家からの注文品といえる珍しい超高級機。何せラッパが紙製の世界最大版?。このショップではこのサイズのものを3台展示しているのだが、そのなかの一つ。
 直径は不鮮明だが1Mを超すのではないだろうか。このアサガオ上の小さなものでは聴いたことがあるのだが、その数倍におよぶラッパで体験するのはもちろん初めてだ。どんな音が飛び出すのか。
 それは驚愕の音だった。5Mほど離れたところで聴く。ステージでフランク永井本人が歌うのと変わらない。まるで目をつぼめれば、すぐそこで直に歌っているといってよい。というか、それよりも音量は1.5倍ほど大きいのではなかろうか。まぁ、印象なので正確な数字はわからないが。。。
 低域、広域が身体に伝わってくる。CDで聴くのとは全く違い、身体へのそのしみ込み度合いが何とも言えない自然さを感じさせる。
 蓄音機特有のノイズはほぼ消えている。盤が美品であることも理由かもしれないが、ほぼ半世紀以上前に音の再現技術の高さには、驚き、関心、うなずくしかない。いまなら、電蓄(ピックアップ+アンプ+スピーカー)でいくられも再現できそうだが、まったく電気を使用してないのだから。
 「公園の手品師」は1958年にSPがリリースされた。この時期は蓄音機も盤も全盛?。このような装置と環境で再現できたらもうCDは何なんだと思ってしまう。
 再来した「レコード人気」について新聞で最近紹介されていた記事によれば、音域0~100kHzという人間(と楽器や自然)の音を完全再生することを挑戦して実現しているのが蓄音機だと。それに対して、CDはノイズカットやメリハリを人工的に加工したばかりか、周波数を0~20+程度までに抑えそれ以外は「ヒトは判断できない」としてカットしたと。
 バカやっちゃいけない。技術的や商業的が優先されて結果的にCD規格が決まった(もちろん、一般的にはその範囲でカバーできるレベルと)のだが、聴き比べてみれば、歴然といいたい。それが、昨今のレコードブーム、ハイレゾブームになっているのだろう。ということで、思わぬ体験をしてしまった。
 帰宅してから自分の自慢?の蓄音機で同じ「公園の手品師」に挑戦。いつも聴いている音だっただが、先に聴かせていただいた蓄音機の迫力とは比較にならない。
 手回しの蓄音機は確かに使い勝手は難しい。私は雑な方だが、録音時期、楽曲の内容、収録技術等で針(太さ、硬さ等)を選び、当然だが1曲(一枚)ごと使いかえる。ゼンマイを巻く。サウンドボックスを慎重に落とす必要がある。
 電化が進むと蓄音機は当然電蓄になる。使い勝手が大幅に改善された。盤の素材にも変化。録音技術も電蓄を想定されるようになる。針の耐性、というか電気増幅を前提にしたピックアップ方式に大幅変更。
 電蓄は、同時に回転数が多く1枚に収められる時間が大幅に変わらざるを得ない時期に至り、LPやEP時代に急激に移行、SP時代はあっけなく終焉する。
 しかし、電気もない時代に自然の声の再生を究極まで追求したSP+蓄音機、さらに電蓄時代のLPとEP。これらのアナログが、今全盛のデジタル音の世界に対して逆行するようにぶり返しのゆさぶりをかけている。一時ほぼとだえていたアナログレコードの制作の作品数も急増しているようだ。
 古いクラシックのレコード名盤や蓄音機関係にご興味をお持ちの方は、当然にご存知のお店かも知れないが、機会をみてぜひ訪れてみてはいかがだろうか。

 ※写真中央:Yさんがお持ちのフランク永井「有楽町で逢いましょ」時代の銀座写真。今の山野楽器店の箇所がビクターで屋上にはニッパー犬看板という珍しい時代風景。右は巨大なラッパを誇るEMG HANDMADE GRAMOPHONE蓄音機(HP映像から)。
mx20180504.jpg

 フランク永井の生誕地である宮城県大崎市松山で、毎年十月に開催されている「フランク永井歌コンクール」についての開催要項が発表された。下記に全文を転載するので、ご参考ほどを。
 歌コンは今年で記念すべき十回を迎える。2011年の東日本大震災が同年の開催の直前にあったことから1年の延期があったため、正式な開催から11年間継続したことになる。
 フランク永井という偉大な歌手の名を冠したユニークな催しで、しかも地元の多数の人が参加して開かれる手作りのイベントだ。
 今年は今までのような参加者による歌唱に加え、過去9回までの大会優勝者によるチャンピオン大会がある。優勝者全員のすばらしい歌唱を一堂に会する聴けるというのは、なんとも迫力満点である。もともとフランク永井のファンで大の歌好きばかりだから、この間も歌への没入は当然で、おそらく大いに進化している。それがどう披露されるのか、いまから期待が膨らむ。
 チャンピオン大会があることから、従来のコンクールはやや小さめにならざるを得ず、参加者も若干少なくなる。過去の優勝者の歌をみると、フランク永井のヒット曲が広く入っていて、決してあくことがない。きっと前段に行われる参加者による歌はさらにさまざまな曲が歌われると期待できる。
 フランク永井の曲についてカラオケが少ないというのはたびたび話題にしてきたが、最近はカラオケ店でも希望を受けて少しずつだが増加してきたようである。さらに、なんといっても熱心なファンは、カラオケがないなら自前でということで、カラオケを用意されていると聞く。
 楽譜がない場合でも、採譜をして楽器のパートまで用意して演奏を仕上げる方がいて、そうしたところに依頼して用意するという。聞いていて頭が下がる思いである。
 しかも、この歌コンに年間を通じてエネルギーを注いでおられるファンも多い。こうした方々は開催のずっと前から、エントリー曲選びをし、カラオケ店に通って練習を絶やさない。このような方々の努力は、やがて大会での入賞に結実するに違いない。
 会場は遠方から駆けつけるにはやや大変かもしれないが、行けば必ず地元の親切であたたかい素朴な歓迎に会う。くったくのない方々とフランク永井についての熱い会話をすれば、松山は忘れられなくなうこと請け合いだ。
 まだ、十分に時間があるので、初めての方ものどに自信がある方はぜひとも挑戦してほしいと願う。

第10回「フランク永井 歌コンクール」記念大会 開催要綱
1.趣 旨
 松山の宝、大崎の宝、日本歌謡界の宝であるフランク永井の歌コンクールを開催する。多くの人々が要望している、昭和歌謡界が誇る低音歌手フランク永井の歌を歌い、聞き、歌い継ぐことを通じて大崎市の地域づくりに大きく貢献していきたい。
2.主 催 
 大崎市松山まちづくり協議会、フランク永井歌コンクール実行委員会
3.後 援 
 大崎市、大崎市教育委員会、ビクターエンタテインメント、日立市吉田正音楽記念館、吉田事務所、大崎市松山文化協会、大崎市松山観光協会、大崎商工会、鳴子温泉郷観光協会、大崎タイムス社、河北新報社、朝日新聞仙台総局、産経新聞社東北総局、毎日新聞仙台支局、読売新聞東北総局、KHB東日本放送、仙台放送、TBC東北放送、ミヤギテレビ、大崎ケーブルテレビ (順不同)
4.協 賛
(株)一ノ蔵、仙台味噌醤油(株)、みどりの農業協同組合、(株)プロスパイン(順不同)
5.主 管 
フランク永井 歌コンクール実行委員会、大崎市松山まちづくり協議会教育文化部会
6.日 時
 ◎予選会 :平成30年10月20日(土)10時~17時30分 20名選出
 ◎決勝大会:平成30年10月21日(日)10時~12時30分 20名で決戦
 ◎10周年記念大会「グランドチャンピオン(G・C)大会」:
       平成30年10月21日(日)13時~15時
7.会 場
 大崎市松山体育館(住所:〒987-1304 大崎市松山千石字松山34-1)
8.応募方法 
 フランク永井の曲(オリジナル曲)を歌唱する方は、どなたでも参加出来ます。
 お申込みは、申込み用紙に歌唱曲名、住所、氏名他必要事項を記入し、現金書留に参加料、自前で用意したカラオケテープまたはCDを添えて事務局まで申込んで下さい。
 (申込後の曲目変更はプログラム編成の都合上認められませんのでご留意下さい。)
 過去大会優勝者の方々には申し込み用紙を送付致しますので必要項目(曲名は優勝曲)と「優勝時の思い出」を記入し、カラオケテープもしくはCDを添えて事務局までお申し込み下さい。
 尚、テープ審査は行いませんので、くれぐれもカラオケテープ・CDに自分の歌声を吹き込まないで下さい。
9.参加料
 ○4,000円(デュエットの場合は、5,000円)
 〇出場申込書は第9回歌コンと同じです。
10.応募期限
 ○平成30年7月1日(土)から平成30年8月31日(木)まで。
 ○先着110組で締め切りとします。例年より少なくなります。
11.申込み先(事務局)
 〒987-1304 大崎市松山千石字広田30 松山総合支所第二分庁舎内
 フランク永井 歌コンクール実行委員会事務局
 TEL:090-1492-0438(松元)0229-25-4774(浅野、片岡)
12.審査選考 
 予選会 :フランク永井の曲2番までを歌唱審査し、20組を選びます。
 決勝大会:予選会と同じ曲を2番まで歌唱審査し、入賞者を選びます。
 G・C大会:第一回~代10回までのチャンピオン10名で優勝曲を2番まで歌唱し入賞者を選びます。
13.審査員の先生方
 審査員長:ビクター歌謡音楽研究会 東京本部特別講師 白井伸幸先生
 審査員 :県内の作曲並びに編曲家 大森一夫先生・千葉有一先生
14.表 彰
 10回決勝大会
  優 勝:1名  賞状+トロフィー+副賞
  準優勝:1名  賞状+トロフィー+副賞
  第3位:1名  賞状+トロフィー+副賞
  特別賞:若干名 賞状+トロフィー+副賞
  参加賞:出場者全員
 G・C大会
  優 勝:1名  賞状+トロフィー+副賞
  準優勝:1名  賞状+トロフィー+副賞
  第3位:1名  賞状+トロフィー+副賞
  参加賞:出場者全員
15.入場券
 予選会券 500円
 決勝大会 1,200円(当日1,400円)
 共通券(予選会&決勝大会G・C大会まで)1,600円
16.その他 
・参加申込者には、応募締め切り後9月15頃に案内状(連絡事項)をお送り致します。
・審査結果に関してのお問い合わせについては、一切お受け致しませんのでご了承願います。

カテゴリ

このアーカイブについて

このページには、2018年5月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2018年4月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。