井上揚水の歌う「有楽町で逢いましょう」(UNITED COVER 2:2015)はいかが

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 井上揚水の歌う「有楽町で逢いましょう」はいかがでしょうか。
 1970年代に「夢の中へ」「心もよう」などを発表し多くのファンを不思議な雰囲気の世界に引き入れた井上揚水。さまざまな話題も提供してくれた井上は、醸し出す独特なムードから今でも幅広く活躍している。
 その井上がこの夏に、フランク永井の代表曲である「有楽町で逢いましょう」をカバーした。「UNITED COVER 2」というアルバムの一曲だ。フランク永井のカバーというのはやはり見逃せないので、さっそくに手にしてみたということだが、実は彼は2001年に「UNITED COVER」を出しているので、昭和歌謡のカバーとしては2枚。14年目でセットが完成(これから続編がでれば別だが)ということになる。
 井上揚水は、別項で紹介した杉田二郎と同じように、フランク永井とは傾向が異なる歌手。1970年代以来次々とヒット曲をだすとともに、他のエンタ―テナーとも密接に関係を持って、曲を提供したりプロデュースしたり忙しい。
 井上も熟年を迎えている。フォーク歌手そのものではなくても、ギターで同年代にならしたフォークやニューミュージックの人たちと競ったり、ユニットを組んだりして活躍してきた。ビートルズに熱狂したことでも有名だが、対極にあるような流行歌である昭和歌謡への敬意をもってカバーにあたっている。
 2枚を聴き比べると、14年の間隔が感じられる。前者は原曲のリズムに彼の高音や張りのあるスピーディな歌唱がうまく乗っている。聴きなれた曲としては「コーヒー・ルンバ」もいいが、裕次郎の「嵐を呼ぶ男」、西郷輝彦の「星のフラメンコ」などは傑作といえる。
 今回のカバー2は、全体に彼の作る独特の甘く、軽く、夢のような、ときには気怠さもあるムードに貫かれている。それに彼の歌唱の特徴でもある口をちゃんと動かしていないような歌い方が乗る。
 「有楽町で逢いましょう」も「夜霧世今夜も有難う」、水原ひろしや近年ではちあきなおみの名曲として知られる「黄昏のビギン」も同様な新しい編曲にかぶさっている。別傾向であるこうした歌謡曲もみごとにヨウサライズ(揚水化:勝手につけた)されており、ファンは感心することに違いない。
 「氷の世界」をはじめ自らのヒット曲をもムードを変えて再吹込みをしている。井上は現在もUNITED 2の拡販に力をいれて活動している。

 下記が2枚のアルバムの内容。興味のある方はいちど聴いてみたらいかがだろうか。

◎井上揚水 UNITED COVER(2001)
1.蛍の光
2.コーヒー・ルンバ(西田佐知子、1961年)
3.花の首飾り(ザ・タイガース、1968年)
4.旅人よ(加山雄三、1966年)
5.銀座カンカン娘(高峰秀子、1949年)
6.サルビアの花(早川義夫、1969年)
7.東京ドドンパ娘(渡辺マリ、1961年)
8.ウナ・セラ・ディ東京(ザ・ピーナッツ、1964年)
9.嵐を呼ぶ男(石原裕次郎、1958年)
10.誰よりも君を愛す(松尾和子/和田弘とマヒナスターズ、1959年)
11.ドミノ(ペギー葉山、1952年)
12.星のフラメンコ(西郷輝彦、1966年)
13.月の沙漠
14.手引きのようなもの(井上陽水、奥田民生、1997年)

◎井上揚水 UNITED COVER2(2015)
1.シルエット・ロマンス(大橋純子、1981年)
2.黄昏のビギン(水原ひろし、1957年)
3.リンゴ(吉田拓郎、1972年)オルケスタ・デ・ラ・ルス参加楽曲
4.リフレインが叫んでる(松任谷由実、1988年)
5.有楽町で逢いましょう(フランク永井、1957年)
6.夜霧よ今夜も有難う(石原裕次郎、1967年)
7.女神 新曲 オルケスタ・デ・ラ・ルス参加楽曲
8.瞬き 新曲 オルケスタ・デ・ラ・ルス参加楽曲
9.あの素晴らしい愛をもう一度(加藤和彦、北山修、1971年)
10.IWILL(ザ・ビートルズ、1968年)
11.夢で逢いましょう(坂本すみ子、1961年)
12.SAKURAドロップス(宇多田ヒカル、2002年)オルケスタ・デ・ラ・ルス参加楽曲
13.氷の世界(セルフ・カヴァー、1973年)オルケスタ・デ・ラ・ルス参加楽曲

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