デュエット曲「東京ナイト・クラブ」が「銀座の恋の物語」を生んだと番組「昭和は輝いていた」で

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 武田鉄矢が司会する「昭和は輝いていた」(BSジャパン)がある。フランク永井ファンとして観ていると、同僚だったり同時期に活躍していた方だったり、このところいろいろと関連したプログラムが組まれていて面白い。
 先に青江三奈を紹介した。5月は「ムード歌謡」をとりあげた。ムード歌謡の成り立ちについて敏いとう、田代美代子らをゲストにして紹介していた。和田弘とマヒナスターズが頂点に君臨し他のグループがけっこう肩身狭く仕事をしていたのだと。昭和歌謡でこの分野が欠かせないひとつのファン層を持つようになった。好きなグループである鶴岡正義(とロマンチカ)も出演していて「小樽のひとよ」とか「君は心の妻だから」の名作を残している。「有楽町でまた逢いましょう」などというのも出だしている。
 6月は表題の番組の説明があったので、思わず見てみしまったのだが、昭和のというより、日本のデュエット曲の始まり(?)から紹介したものだ。戦後の明るい初めての曲として良く紹介される並木路子の「リンゴの歌」が、実は霧島昇とのデュエット曲だったとして、その珍しい映像が放映された。
 カラオケでは多少オサケもはいって、のりのりでデュエットを歌うというの欠かせない。そうしたカラオケでの、デュエット人気ランキング?のようなものも紹介していた。それぞれが、歌としての人気のランキングなのか、歌いやすさのランキングなのか微妙にことなるようだが、さすがに今時だからか「東京ナイト・クラブ」はそれにはいっていなかった。カラオケブームの初期は欠かせなかったのですがね。。。
 今でも高い人気をキープしているのが石原裕次郎の「銀座の恋の物語」で銀恋=ギンコイとして親しまれている。裕次郎はフランク永井、水原弘、三船浩などと並ぶ当時の低音の魅力の歌手とも称せられたが、彼は自身が「オレは映画俳優で歌は本職ではない」といっていたように、歌唱の微妙なことにはこだわらずに、素で気ままにラフに歌っている。その自由さ、気楽さが歌唱に出ていて、大衆的に好感と近親感のベースになっている。
 この歌は裕次郎が俳優として人気絶頂期のころの1961年、日活映画「街から街へつむじ風」の挿入歌として歌われたものだ。歌の人気先行で翌1962年日活映画「銀座の恋の物語」が作られた。麻丘ルリ子、江利チエミ、ジェリー藤尾などが競演している。歌は映画のテーマにも主題歌にもなった。
 忙しい裕次郎はわずか数時間の目通しだけで、歌を吹き込んでいるバタバタ作品だ。作品を作るに当たり、当時フランク永井と松尾和子のビクターのゴールデンデュエットが歌って、絶大な人気を得ていた「東京ナイト・クラブ」が目をつけられた。
 表題の番組で音楽文化研究家長田暁二が述べているように「電話口で東京ナイトクラブを歌って、これとそっくりな歌を作ってくれ」と頼まれた。「東京ナイトクラブがなかったら銀座の恋の物語は生まれなかった」いうエピソードだ。
 作詞は大高ひさをに作曲は鏑木創に依頼。裕次郎と同じように直前にデュエットをふられたのは映画に共演していた牧村旬子。番組では曲の構想がいかに同じかを並べて説明していたほどだ。レコード会社は当時各社が映画の主題歌や挿入歌で協力提携関係でやっていたが、レコードの分野では激しい攻防防戦も展開していた。
 裕次郎をかかえるテイチクではビクターのフランク人気を裕次郎にも競合させて、あわよくばその上をと、映画の挿入歌で試みたのだ。「何せ似たものを」と今では考えられないほどの荒っぽい戦術だ。
 逆に「東京ナイト・クラブ」を作った吉田正と佐伯孝夫の慧眼に感心する。ナイトクラブという夜の大人の世界を人気のフランク永井と新人の松尾和子と組ませて、当時は思いもよらぬムードのデュエットをつくってしまったのだ。大人の男女がかけあいで歌うというデュエットの歌唱法を採用したこととか、二人の声質の良さを引き出したメロディー、そしてなんとも当時としてはきわどい?歌詞と、この歌は戦後の男女デュエットを切り開いたといってよい。
 今では考えられないことだが「好きになったの もっと抱いて」ということが、いやらしいとして、放送に抗議があり時にはこの歌を放送を自粛することまであったという。だが、カラオケ・ブームの到来とともにどこでも好んで歌われるようになる。
 ビクターとテイチクはフランク永井と石原裕次郎で持ち歌の交換というか、互いのヒット曲をカバーで歌うという企画をもって、互いがカバーするということになった。フランク永井は松尾和子と「銀座の恋の物語」を歌い、裕次郎は八代亜紀と「東京ナイト・クラブ」を歌っている。裕次郎が歌う「東京午前三時」「羽田発7時50分」、フランク永井が歌う「夜霧よ今夜も有難う」「ブランディー・グラス」など、なかなかいいと思う。

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