2014年10月アーカイブ

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 この27日がフランク永井が2008年に亡くなってからまる6年過ぎる。10月のこの秋は昭和の偉大な歌手であるフランク永井に敬意を表し、その歌声を聴いて想いおこそうと毎年番組が組まれる。今年も、NHK深夜便では27日(日曜日。午前2時台)に放送がある。〔にっぽんの歌こころの歌〕として、思い出の歌謡スター:フランク永井集である。
 発表されている曲目は、君恋し、公園の手品師、こいさんのラブ・コールほかとなっている。こうした特集がくまれるのは、舞台から降りてすでに30経過してもなおその人気が全国的に根強いことである。
 これに先立つ今月の13日には、アンカーが同じ高橋敦之による「ポピュラー名曲アルバム:フランク永井ジャズ/ポップスを歌う」が放送された。
 フランク永井が生涯所属したビクターからちょうど22日には、たびたび紹介している「フランク永井 ザ・カバーズ」というCDが発売されたのだが、番組はこれとかさなるところもあり、それでいて選曲もすばらしい番組であった。11曲たっぷりと流された。
 注目は平岡精二の「あいつ」(「旗照夫」に歌わせた)と山下達郎の「WOMAN」であろう。
 ここに平岡の「爪」(ペギー葉山が歌った)は入っていないが、この名曲をNHKは「ポピュラー名曲アルバム~ジャズ/ポップス」の代表曲としてくくっているのがにくい。「ザ・カバーズ」では今回歌謡曲・ポップスいずれにも入っていないが、フランク永井が歌うこの「あいつ」「爪」はオリジナル曲とファンはいってしまいたほどの出来ではないかといいたい曲だ。
 「WOMAN」もいろいろとエピソードが絶えない曲。この曲は昨年末に発売された「ザ・ベスト」にも入っているように、近年になって再注目されいくつかのCDでも取り上げられている。この曲は山下の女性やWOMANといった多くの曲での代表格のものといえる。フランク永井が表にはでていなかった底辺に持つポテンシャルとジャズで培った独特のリズム感を前面に引き出したもので、聴けば聞くほどその優れた力を感じる。
 これらを、秋の、今のタイミングで、深夜便ではさりげなく静かな夜に相応しいゆったりとした語りで紹介しているところがいい。

02:15 国境の南  VICL-63275
   South of The Borderwritten by Michael Carr/Jimmy Kennedy(1964)
02:20 恋人よわれに帰れVICL-63274
   Lover, Come Back to Me 訳詞:井田誠一 written by Oscar Hammerstein II/Sigmund Romberg 1939(S30)
02:24 16トン VICL-63274
   16 Tons 訳詞:井田誠一 written by Merle Travis 1958(S33)
02:28 ドリーム VICL-63274
   Dream written by Johnny Mercer (1945)
02:32 テネシー・ワルツ  VICL-63274
   Tennessee Waltz written by Pee Wee King/Redd Stewart (1940)
02:35 あいつ VICS-60055
   作詞・作曲:平岡精二 1967(S42)/1958(S33)
02:39 夜のストレンジャー VICL-63274
   Strangers in the Night 訳詞:安井かずみ The English lyrics:Charles Singleton/Eddie Snyder, music originally composed by Ivo Robi? (1966)
02:42 ある愛の詩(うた) フランク永井 VICL-63274
   Love Story(映画『Love Story(ある愛の詩)』より「ある愛の詩」)written by Francis Lai/Carl Sigman (1971)
02:48 ウーマン VICL-40056
   WOMAN 作詞:山下達郎、伊藤銀次 作曲:山下達郎 1982(S57)
02:52 枯葉 VICL-63275
   The Falling Leaves 訳詞:井田誠一、作曲:J.Kosma+J.Prevert(1961)
02:55 オール・オブ・ミー VICS-60054
   All of Me written by Gerald Marks and Seymour Simons 1976(1931)

 なお、この日の番組を教えてくださったのは古くからのフランク永井、松尾和子ファンのMさんで、録音までしてくださった。感謝に耐えません。
 深夜便の紹介のついでに、今年になってから前回紹介した「深夜便」以降に取り上げられたフランク永井の曲を以下に記しておく。さまざまなタイトルで確実にフランク永井が登場し代表曲が流されていることがわかる。昭和の時代に輝いたフランク永井の光がいかにみなの心に深く刻まれているかの証である。
 なお「ザ・カバーズ」ではフランク永井のブランデーを持つ写真がジャズ・スタンダード版に、たばこを持つ写真が歌謡曲・演歌に使われている。このポーズがジャケットや写真で多用されていたのだが、いまタバコを吸うのが犯罪者ではないけれど、たいへん身狭くなってきている。これから、このようなタバコ姿はまず絶対にジャケットなどで使われることはないだろう。
 そんなことを考えてフランク永井のタバコ姿を並べてみた。当時は実に自然で、キマッテいた。

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■2014 1/18 土曜日 真夜中の夢の競演:フランク永井&小林旭
Lover, Come Back to Me(恋人よわれに帰れ)
霧子のタンゴ
大阪ぐらし
東京午前三時
俺は淋しいんだ
■2014 01/20月曜日 昭和歌年鑑:昭和34年の流行歌
夜霧に消えたチャコ
■2014 03/17月曜日 作家で綴る流行歌:佐伯孝夫作詞作品集
西銀座駅前
■2014 04/17木曜日 昭和歌年鑑:昭和36年の流行歌
君恋し
■2014 05/29木曜日 作家で綴る流行歌:岩谷時子作詞作品集
おまえに
■2014 06/09月曜日 作家で綴る流行歌:吉田正作曲作品集 Part.1
東京ナイトクラブ
西銀座駅前(中断)
■2014 06/16月曜日 昭和歌年鑑:昭和32年の流行歌
13,800円(\(地震速報で中断)
■2014 06/23月曜日 作家で綴る流行歌:吉田正作曲作品集 Part.2
おまえに
■2014 08/04月曜日 昭和歌年鑑:昭和33年の流行歌
こいさんのラブ・コール
■2014 9/20 土曜日 真夜中の夢の競演:ちあきなおみ&松尾和子
東京ナイトクラブ
■2014 09/30火曜日 作家で綴る流行歌:宮川 哲夫作詞作品集
夜霧の第二国道
公園の手品師

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  優勝者 女川孝俊さん(湧谷町)「霧子のタンゴ」
  準優勝 高橋ひとみさん(大崎市松山)「君恋し」
  第3位 松川好孝さん(仙台市)「おまえに」
  特別賞 常盤希峰子さん(仙台市)「初恋の詩」
      佐藤勝美さん(加美町)「妻を恋うる唄」
      川村忠洋さん(仙台市)「好き好き好き」

 昨年まではフランク永井の生誕の3月18日前後に開催されていた「フランク永井歌コンクール」は、今年10月27日に7回忌を迎えるがこの10月に開かれた。東日本大震災で直接的な打撃を受けたフランク永井の故郷は、この年での開催を延期せざるをえなかったが、コンスタントに毎年開催し、今年で6回目を迎えた。
 出身地の大崎市松山では、フランク永井が歌った曲に限った歌コンクールを地元の方々が手作りで作り上げてきた。カラオケ大会や歌コンクールは全国に数え切れないほどあるが、特定の歌い手の名を冠した歌コンクールは、この「フランク永井歌コンクール」唯一というユニークな催しである。
 中心になっている大崎市松山まちづくり協議会、フランク永井歌コンクール実行委員会の周辺には無名のボランティアが数百人の規模で参加し盛り上げている。
 決勝大会の優勝者、準優勝者、第3位、特別賞の方々に授与する副賞のかずかずを見るとそれがよくわかるので楽しい。地元のお米、お酒、お菓子等々ほとんどトラックで持ち帰るような塩梅である。それだけに、この催しが開催地では身近で多くの人がそれぞれの立場からの支援をして、みな誇りを持って参加されているのがわかる。
 会場は満員で決勝大会は12時半の開始なのに、すでに10時ごろから会場が埋まっていくということで、このあたりは地方の時間の香りを感じる。
 初日の予選会は朝十時から113組みの挑戦がなされ、選ばれた30組が決勝に進んだ。
 毎年参加していい声を聴かせている方々から受賞者も出ている。やはりすばらしい安定した歌唱といえる。この日のために励んできた成果がでたという感じだ。
 今回ひときわ会場の目を引いたのは特別賞の常盤さん。86歳のご高齢とのことだが、とてもお歳を感じさせないみごとな「初恋の詩」を聴かせてくださった。会場を拍手の渦でつつんだ。また、準優勝の高橋さんは地元の松山の方。最年少で女性で、これまた「君恋し」をすばらしい歌唱で歌いあげ賞賛を得た。

 会場では多くの人がペンをもって、採点に挑戦していた。自分の思う基準で評価し、プロの審査(委員長白井伸幸:ビクター歌謡音楽研究会東京本部特別講師、大森一夫:作曲家、千葉有一:日本音楽著作権協会)とどう結果が一致し、また違うのかを楽しんでいる光景もある。
 白井審査委員長のお話は毎回そうなのだが、的確でユニークでそれでいて具体的でおもしろくたいへん好評だ。話を聞くのを楽しみにしているものが多い。お話でもあったが、歌詞を正確に、リズムに正確に、発声を正確にという点が大事といえるようだ。
 プロの歌手と趣味で詩を楽しむのとでは視点や方向性が異なるので、土台同じような見方はできない。しかし歌を歌うというベースは変わらない。
 プロの歌手はさらに、圧倒的な正確さ、いわゆる聴かせる歌唱、そして個性的な雰囲気の創出という「芸」が伴う。フランク永井の場合は聴く人との距離感が絶妙といえる。嫌味をださず、押し付けず、低い声も高い声もはっきりと聞き取れるカツゼツを持っている。
 その点で、フランク永井の歌を他の人、もちろんプロの歌手も含めてだが、歌ってうなずかせ、聴かせるというのは容易なことではないのだ。
 このフランク永井歌コンクールは、そのようなハードルがある。それを承知で多数の方々が挑むのだから、この歌コンクールは意義をもつのである。
 来年はまたすばらしい挑戦者が出てくるものと期待できる。

 さて、22日は何回か取り上げてきたフランク永井CD「ザ・カバーズ」が発売される。歌コン会場でも後の案内テーブルでその紹介がなされていて注目をあびていた。歌コンで聴くのと、フランク永井が他の歌手のヒット曲を歌っているのを聴くのは、歌を歌っている人にはたいへん学ぶところがあるのではないだろうか。

写真は左から、満員の会場全景、優勝者女川さんの受賞後の熱唱、右の女性は準優勝の高橋さん。白井審査委員長の総評ご挨拶。
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 1955(S30)年の10月にデビューしたフランク永井は60周年を迎える。このたびそを記念してCDが新発売されることは、別項で記したとおりだ。そして10月18日・19日に生誕地の宮城県大崎市松山で「第6回フランク永井歌コンクール」が開かれる。
 10月2日の東京中日スポーツ新聞で、大きく取り上げられた。
 「よみがえる魅惑の低音・フランク永井さんの60周年カバー集」として、カラーで大きな紙面をさく記事であった。デビュー30周年のライブ(このときはいままでリサイタルと称していたのだが、その意味がやや変化したことからそう呼ばなくなった)時の写真が使用されている。
 また、東京圏を中心に広くレコード店を展開しているディスク・ユニオンの昭和歌謡館では特設販売コーナーでの展開をして力をいれている。歌謡曲リミテッドのサイトでは大きく紹介している。ここでは1960年代に広範に活動した労音ライブでの写真をおおきく掲載している。

 収録曲については先に紹介しているとおりだが、今回の「歌謡曲・演歌」版の方では11曲の初CD化がなされているのが注目点だ。

【DISC 1】
09 函館の女 (北島三郎)
10 北国の春 (千昌夫)
11 港町ブルース (森進一)
14 伊勢佐木町ブルース (青江三奈)
19 女のみち (ぴんからトリオ)
20 なみだの操 (殿さまキングス)
【DISC 2】
15 別れの朝 (ペドロ&カプリシャス)
18 酒と泪と男と女 (河島英五)
19 氷雨 (佳山明生、日野美歌)
21 青葉城恋唄 (さとう宗幸)
22 いい日旅立ち (山口百恵)

 1975年の歌手生活20周年を記念して「魅惑の低音・フランク永井大全集」というLP10枚組の豪華なアルバムが出たのだが、このときに幅広くカバーを新たに録音した。そのなかの「函館の人」「女のみち」「なみだの操」が今回再現されている。
 いずれもこれこそ「演歌の匂い」が最大級のもので、ドエンカともいわれる歌だが、フランク永井は彼の独特のフィーリングでこなしている。
 宮史郎はすでにお亡くなりになっているが、彼が芸能舞台に残れるかどうかの最後のかけで臨んだ「おんなの道」は彼に新たな展開をもたらした。新たの受け入れ場が開発された。クサイ歌い方の限界のようなものが、結果受け入れられ「いいんじゃないの」ということになり、これに続けと宮路オサムに白羽の矢がたち、できたのが「なみだの操」。
 日本が生んだ究極のドエンカに、ムード歌謡のキングが挑んだ。それが今回のCDで聴ける。

 珠玉のカバーのひとつは山口百恵の歌った「いい日旅立ち」である。フランク永井の歌の消化力をまざまざと感じることができる一曲だ。おしのべてカバーの結果はいいのだが、いくつか好きなのをあげれば、他に「ラブ・ユー東京」(黒沢明とロス・プリモス)、抱擁(箱崎晋一郎)、「酒場にて」(江利チエミ)、「ヘッド・ライト」(新沼謙治)、「すきま風」(杉良太郎)などだ。フランク永井の歌唱の巧みさがしみじみと伝わってくる。

歌謡曲リミテッド(http://kayo.musicshelf.jp/20141002-897/)

東京中日スポーツ10/2(http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/entertainment/news/CK2014100202000196.html)

フランク永井 ザ・カバーズ(歌謡曲・演歌)
http://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A000152/VICL-64232.html

フランク永井 ザ・カバーズ(ジャズ・スタンダード) 
http://victorentertainmentshop.com/product/?item_cd=VICL-64230

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