


この27日がフランク永井が2008年に亡くなってからまる6年過ぎる。10月のこの秋は昭和の偉大な歌手であるフランク永井に敬意を表し、その歌声を聴いて想いおこそうと毎年番組が組まれる。今年も、NHK深夜便では27日(日曜日。午前2時台)に放送がある。〔にっぽんの歌こころの歌〕として、思い出の歌謡スター:フランク永井集である。
発表されている曲目は、君恋し、公園の手品師、こいさんのラブ・コールほかとなっている。こうした特集がくまれるのは、舞台から降りてすでに30経過してもなおその人気が全国的に根強いことである。
これに先立つ今月の13日には、アンカーが同じ高橋敦之による「ポピュラー名曲アルバム:フランク永井ジャズ/ポップスを歌う」が放送された。
フランク永井が生涯所属したビクターからちょうど22日には、たびたび紹介している「フランク永井 ザ・カバーズ」というCDが発売されたのだが、番組はこれとかさなるところもあり、それでいて選曲もすばらしい番組であった。11曲たっぷりと流された。
注目は平岡精二の「あいつ」(「旗照夫」に歌わせた)と山下達郎の「WOMAN」であろう。
ここに平岡の「爪」(ペギー葉山が歌った)は入っていないが、この名曲をNHKは「ポピュラー名曲アルバム~ジャズ/ポップス」の代表曲としてくくっているのがにくい。「ザ・カバーズ」では今回歌謡曲・ポップスいずれにも入っていないが、フランク永井が歌うこの「あいつ」「爪」はオリジナル曲とファンはいってしまいたほどの出来ではないかといいたい曲だ。
「WOMAN」もいろいろとエピソードが絶えない曲。この曲は昨年末に発売された「ザ・ベスト」にも入っているように、近年になって再注目されいくつかのCDでも取り上げられている。この曲は山下の女性やWOMANといった多くの曲での代表格のものといえる。フランク永井が表にはでていなかった底辺に持つポテンシャルとジャズで培った独特のリズム感を前面に引き出したもので、聴けば聞くほどその優れた力を感じる。
これらを、秋の、今のタイミングで、深夜便ではさりげなく静かな夜に相応しいゆったりとした語りで紹介しているところがいい。
02:15 国境の南 VICL-63275
South of The Borderwritten by Michael Carr/Jimmy Kennedy(1964)
02:20 恋人よわれに帰れVICL-63274
Lover, Come Back to Me 訳詞:井田誠一 written by Oscar Hammerstein II/Sigmund Romberg 1939(S30)
02:24 16トン VICL-63274
16 Tons 訳詞:井田誠一 written by Merle Travis 1958(S33)
02:28 ドリーム VICL-63274
Dream written by Johnny Mercer (1945)
02:32 テネシー・ワルツ VICL-63274
Tennessee Waltz written by Pee Wee King/Redd Stewart (1940)
02:35 あいつ VICS-60055
作詞・作曲:平岡精二 1967(S42)/1958(S33)
02:39 夜のストレンジャー VICL-63274
Strangers in the Night 訳詞:安井かずみ The English lyrics:Charles Singleton/Eddie Snyder, music originally composed by Ivo Robi? (1966)
02:42 ある愛の詩(うた) フランク永井 VICL-63274
Love Story(映画『Love Story(ある愛の詩)』より「ある愛の詩」)written by Francis Lai/Carl Sigman (1971)
02:48 ウーマン VICL-40056
WOMAN 作詞:山下達郎、伊藤銀次 作曲:山下達郎 1982(S57)
02:52 枯葉 VICL-63275
The Falling Leaves 訳詞:井田誠一、作曲:J.Kosma+J.Prevert(1961)
02:55 オール・オブ・ミー VICS-60054
All of Me written by Gerald Marks and Seymour Simons 1976(1931)
なお、この日の番組を教えてくださったのは古くからのフランク永井、松尾和子ファンのMさんで、録音までしてくださった。感謝に耐えません。
深夜便の紹介のついでに、今年になってから前回紹介した「深夜便」以降に取り上げられたフランク永井の曲を以下に記しておく。さまざまなタイトルで確実にフランク永井が登場し代表曲が流されていることがわかる。昭和の時代に輝いたフランク永井の光がいかにみなの心に深く刻まれているかの証である。
なお「ザ・カバーズ」ではフランク永井のブランデーを持つ写真がジャズ・スタンダード版に、たばこを持つ写真が歌謡曲・演歌に使われている。このポーズがジャケットや写真で多用されていたのだが、いまタバコを吸うのが犯罪者ではないけれど、たいへん身狭くなってきている。これから、このようなタバコ姿はまず絶対にジャケットなどで使われることはないだろう。
そんなことを考えてフランク永井のタバコ姿を並べてみた。当時は実に自然で、キマッテいた。
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■2014 1/18 土曜日 真夜中の夢の競演:フランク永井&小林旭
Lover, Come Back to Me(恋人よわれに帰れ)
霧子のタンゴ
大阪ぐらし
東京午前三時
俺は淋しいんだ
■2014 01/20月曜日 昭和歌年鑑:昭和34年の流行歌
夜霧に消えたチャコ
■2014 03/17月曜日 作家で綴る流行歌:佐伯孝夫作詞作品集
西銀座駅前
■2014 04/17木曜日 昭和歌年鑑:昭和36年の流行歌
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■2014 05/29木曜日 作家で綴る流行歌:岩谷時子作詞作品集
おまえに
■2014 06/09月曜日 作家で綴る流行歌:吉田正作曲作品集 Part.1
東京ナイトクラブ
西銀座駅前(中断)
■2014 06/16月曜日 昭和歌年鑑:昭和32年の流行歌
13,800円(\(地震速報で中断)
■2014 06/23月曜日 作家で綴る流行歌:吉田正作曲作品集 Part.2
おまえに
■2014 08/04月曜日 昭和歌年鑑:昭和33年の流行歌
こいさんのラブ・コール
■2014 9/20 土曜日 真夜中の夢の競演:ちあきなおみ&松尾和子
東京ナイトクラブ
■2014 09/30火曜日 作家で綴る流行歌:宮川 哲夫作詞作品集
夜霧の第二国道
公園の手品師