


フランク永井の全国のファンは多いようだ。
今年はフランク永井歌手デビュー60周年を数える。10月の命日にはフランク永井7回忌を迎える。そうしたことを記念して、その日の前後にビクターから新たなCDがでる。レコード店からいち早く予約の案内が届いている。
ジャケットはまだ発表されていないようだが、10月22日「VICL-64232-フランク永井 ザ・カバーズ(歌謡曲・演歌)」「VICL-64230-フランク永井 ザ・カバーズ(ジャズ・スタンダード)」で、各々2枚組で、ジャズは50曲、歌謡曲は44曲、計94曲に及ぶ豪華版である。
発売元では【ジャズ・歌謡曲歌手、フランク永井のデビュー60周年(2014年時)記念となる歌謡曲・演歌カヴァー・アルバム。「カチューシャの唄」から「もしもピアノが弾けたなら」まで、歌謡曲・演歌の名曲、ヒット曲を魅惑の低音で心ゆくまで堪能できる作品集】としたものである。
ジャズ、歌謡曲ともにすでにCD化されている曲がほとんどなのだが、多くはCD廃盤で手に入りにくくなっている。今回はそれに加えて、ジャズ、歌謡曲ともに初めてデジタル化された曲も入っているので見逃せない。
ジャズのフランク永井CDは2009年の「フランク、ジャズを歌う」2枚盤だが、これに今回初めてデジタル化されたのは1967年にビクターヒット賞を得た「恋心/フランク永井とともに」という名盤が加わった。他に1972年の「フランク永井ゴッドファーザー」、1973年の「フランク永井懐かしのゴールデン・ジャズ・ヒット・アルバム」、1978年「フランク永井夜のタンゴ」からのデジタル化された曲が加わったようである。
今回のシリーズでフランク永井が歌ったジャズの著名なものはほとんどが復刻されたと思える。
歌謡曲・演歌とサブタイトルがついたカバー曲のほうだが、こちらも基本的には廃盤CDの2002年「フランク永井RE-MASTER VOICE I~II」とSONY DISC CLUBからのみ発売された2006年「フランク永井J-スタンダード名曲集」がベースである。
これに1979年のLPカバー集「フランク永井~お前がいいと言うのなら」から新たにデジタル化された曲が入っている。さらにシングル盤の1967年「星影の小径」が加わったものである。
初期にジャズ歌手になることを一途に望んでいたフランク永井が歌うジャズ系は文句なく聴きごたえがあるのだが、歌謡曲演歌のカバーも絶賛物である。歌のうまさは他の歌手が歌ったヒット曲をカバーしてみるとよくわかる。「やっぱり元歌手にはかなわない」といのが多い中で、フランク永井が歌うと「これは元歌手とは違う完成度があるぞ」となるほどうまいのである。
東日本大震災復興祈願で提案したこともある「ヘッド・ライト」は大好きな曲である。このたびの盤ではさらに、そうした意を受けて東北連想の「青葉城恋歌」が加わっている。
聴いていて好きな「カスバの女」「酒場にて」も入っているのがうれしい。たいへん待ち遠しいニュースである。
発表されている曲のリストは次のとおり。
(下記に書いてあったリストは新たに載せたので削除した)