

フランク永井の廃盤になったレコードが、昨年7月に65タイトルCDで復刻した。来る5月29日さらにシングルで20枚、さらにライブLP7枚が同時に発売されることになった。先行した22枚と合わせると、これで計100枚を超すことになる。
うれしいニュースである。フランク永井の出したシングルは枚数で249枚あるので、およそ半数が復刻されたことになる。LPについては、120余枚出しているが、これも入口についたということで大変な進展がみられる。
懐かしい廃盤のレコードをデジタル化し当時のジャケットも含めてCDで復刻するという、実にユニークで文化遺産の保護開発のようなことを精力的に取り組んでいるのは、株式会社ミュージックグリッドで、CD製品についてはMEG-CDとして展開しているものである。
MEG-CDではすでに美空ひばり、石原裕次郎などをはじめほとんどの歌手の廃盤レコードの復刻を推し進めていて、すでに万のタイトルに達しているのではない思える。明治から大正、昭和初期の音源としての日本の文化遺産のデジタル化保存の国家的なプロジェクトにおいても大きな実績をのこしている。
フランク永井のレコードについては、私だけではなく全国の多くのファンが夢に見てきたもので、長く全レコードのデジタル化を望んできました。
MEG-CDサイドもそうしたファンの要望を耳にしてそれに応えようと、あらん限りの努力を続けてきたものである。
費用の問題は大変大きなものである。権利・許諾問題、ソース音源問題等々、何せ半世紀前後古いものだけにクリアするには大変な時間と労力と時間を要するのは察するに思い余る。
さらに、販売方式もものがものだけに難しいところがある。いかに告知するか、いかに全国に手軽に購入要望に応じられるか。最近に全国のサークルK・サンクス店舗約(6,200店舗)などとも連携を実現している。
基本的には在庫はもたずに、注文があれば契約レコード店では、その場でCDを作って手渡すというシステムである。
そのようななかで、フランク永井の作品についても取り組んでいただいた次第だ。第1次は、2010年4月に恩師吉田正の大量の作品の復刻に絡んで実現している。その後もA面B面のアーチストが異なる盤の関係で結果として復刻したというものもあったが、第2次は昨年7月のリリースである。そして今回の3次ともいえるまとめた点数の販売となった。
第2次では、シングルレコードのEPにいてデビュー当時の1957年からモノラル版の最後の1964年までであった。今回はステレオ版の最初からの20枚である。
有名な曲ではビクターヒット賞の「大阪ぐらし」がる。1963年に日本レコード大賞歌唱賞に輝いた「逢いたくて」のコンパクト・ディスク盤も含まれる。他も聴けばフランク永井の歌唱の素晴らしさをしみじみと感じることのできるものとなっている。
また、今回特記すべきは何と言ってもLPが含まれたこと。しかもライブ盤が一挙にまとめて7枚も実現したことである。
フランク永井のライブ盤については1999年に「ステレオによるフランク永井のすべて」で歌手生活21周年の記念リサイタル2枚盤がCD化して納められていた。今回の目玉は1964年の第1回リサイタルである。これはいままでソノシート(ビクター・ミュージック・ブック)でしか世に出ていなかったもので、なぜLPででなかったのかとかいろいろとファン仲間ではいわれてきたものだ。それが、ついにCDで復刻する。
また、第2回のリサイタルも実現する。ここでは長編歌謡抒情歌というのに挑戦していて、当時画期的な賞賛をあびたものだ。それは20分余りの長い曲「慕情」ということもそうだが、フランク永井の歌唱にある。聴けば誰しも感じるのだが、フランク永井がただの?歌謡曲歌手ではないということが十分に察せられる作品なのである。これは聴くに値する。
近年フランク永井の歌を好いてやまないささきいさおが「慕情」の3分版をレコードで出している。
NHKのビッグショーの「酒・女・そして...」。さらにフランク永井の最後のLPとなった歌手生活30周年記念リサイタルである。これは涙なしでは聴けないほどの盤である。
ということで、MEG-CDさん。やってくれました。
*写真の文字の上に影があるのは今回出なかった盤