
この3月はテレビ番組のシリーズの切り替え時期にあたり、特番というのが続く。うれしいことに歌謡曲の番組がけっこう組まれる。しかも長時間で、4時間とかのも少なくない。2時間を超えるのは観るほうがつらいのだが、長時間でないと珍しいシーンを見れないのも事実で、じっと我慢でもある。
昭和歌謡の番組は放送局では相当数のストックがあるはずである。しかし、代表的な曲となると大変絞られてしまい、短い時間帯で流すにはどうしても同じような内容構成になりがちなのだが、長くすることで、しかも嫌なブチギリで何とか珍しいシーンを差し込める。
テレビ局でのマンネリ化しがちなこうした番組をすこしでもフレッシュンするために必死である。リクエストを求めているのは当然だが、ストックの映像からいままであまりとりあげられなかった映像を探し続けている。そのような成果がところどころにでてくるのも楽しみである。
3月30日にはTBSが坂本九のを流すがこれもそのひとつである。
さて、先週はTBSがこの季節の代わり時期に放送している「あなたが聴きたい歌」のシリーズが今回も3月25日(月)に放送された。続いて歌謡曲番組を絶やすことなく続けてきたテレビ東京は「ベストヒット歌謡」を3月29日に放送。

TBSの安住アナの番組では、最初の番組紹介が始まる前のいくつかの曲の中でいきなりフランク永井「おまえに」がながれされてしまい、見損なうところであった。どれ酒でも用意してじっくり頭をマヒさせながら観ようかなどとやっている最中だったからだ。酒は先日宮城県大崎市松山の「フランク永井歌コンクール」にいってきたときに購入してきたものだ。
ちなみに、この酒「一ノ蔵」はたいへんうまい。いつもは焼酎の私ががこの酒は飲みやすい。全国の人気ランクで5位(詳しいことは聞きかじりなので説明できない)だったと。
こうした番組ではフランク永井が歌うのは先の「おまえに」の他には「有楽町で逢いましょう」「君恋し」である。これに華麗なる花を添えるのがゴールデン・デュエット松尾和子との「東京ナイト・クラブ」である。昭和歌謡に欠かせない曲として定着してしまった感がある。
別項で「ラジオ深夜便」でも紹介したが、フランク永井を有名にしたのはその歌唱であるのだが、レコードはもちろんだがのこされたライブ音源に接すると感心するもの。歌手生活の何年かの区切りごとに催されたリサイタルとか大阪労音リサイタル、ナイトクラブでのライブなど何枚かのLPで残されている。
最近聴き直した15周年記念リサイタル(1971:SJV-495-6)などは2時間半近い公演を全部自分で語り歌っている。みごとというか、歌にこめる意思がジンとつたわる。
これに対して放送されるテレビ音声がどうしてもフラットになってしまってフランク永井の本来の良さが伝わりにくいのが、観てて惜しいのである。
それにしてもフランク永井の残した歌がいつまでの続いてほしいと思うものである。
